セメント会社専用線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 15:03 UTC 版)
かつては駅西側の採石所から当駅までを結ぶ日本セメント(現・太平洋セメント)の専用線と、当駅から苅田港に面する豊国セメント苅田工場(現・三菱マテリアル九州工場)までの専用線があった。この採石所は日本セメントと豊国セメントの共有(後に宇部興産との三者共有となる)であったため、日本セメントの工場へは隣の小波瀬西工大前駅から苅田港駅を経てさらに分岐する専用線を通って輸送し、豊国セメントの工場へは日本セメント専用線から貨車がそのまま豊国セメントの専用線に入って輸送していた。 日本セメントは貨車牽引のための機関車を所有していなかったため国鉄の機関車を有償で借りて輸送を行っていた。これに対し豊国セメントは蒸気機関車を所有しており、セメント輸送以外に従業員輸送を元国鉄貨車(テ1形)でおこなっていた その後この採石所は日本セメントが撤退し、豊国セメントは会社合併で三菱鉱業セメントとなり採石を東谷工場(現・三菱マテリアル九州工場東谷生産課)にて行い輸送手段をベルトコンベアに切り替えたため、現在宇部興産のみが採石を行っている(ちなみにこちらも自社所有のベルトコンベアを利用して運搬を行っている)。双方ともレールは撤去されたが日本セメントの専用線跡はほとんど未舗装道路で残っており橋脚も残っている。また豊国セメントの専用線跡はその大部分が舗装された道路になっており日豊本線との分岐部分は公園になっている。なお豊国セメントは1972年(昭和47年)9月18日に専用線で使用していた5号機関車を教材用として苅田小学校に寄贈、現在も学校敷地内に静態保存されている。
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