被害者2人(C・D)を殺害
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「大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件」の記事における「被害者2人(C・D)を殺害」の解説
長良川事件・殺害現場(長良川右岸堤防) 殺害現場:岐阜県安八郡輪之内町楡俣92番地・長良川右岸堤防 KM・KA・HMたちはC・D両被害者の処置について思案しながら連れ回していたが、(殺害現場となった)長良川右岸堤防手前の東海大橋付近で犯跡を隠蔽するために2人を殺害することを決意し、1994年10月8日1時ごろに岐阜県安八郡輪之内町楡俣92番地(長良川右岸堤防)で被害者2人を集団暴行して殺害した(強盗殺人罪)。 岐阜県こどもの国を出発した後、KA・HMは再び行き先を確認するため、東海大橋付近でミラの前照灯で先行するシビックに合図を送った。HMがシビックに近づき「何をやってるんだ、早くしろ。あそこ(殺害現場)でやればいいんだろう」「川沿いに行けば堤防くらいあるだろう」などと言ったため、KMはVに「長良川の堤防道路へ行け」と指示し、10月8日1時ごろに殺害現場の道路待避所にシビックを停車させ、追従して走行していたミラも止まった。 HMはまず太いアルミ製パイプをシビックへ取りに行き、そのパイプを持ったままCを連れて堤防の下へ下りると、アルミ製パイプでCの頭部を殴打したが、Cが堤防法面の中段(平らな部分)を走って逃げだしたために追いかけて捕まえ、連れ戻した。またKAは堤防道路から堤防法面の中断へ下りてきたが「Cが『逃げない』という約束を破った」として憤激し、HMから太いアルミ製パイプを受け取った上で「面・胴・小手」などと剣道の真似をしながらCの頭部・上半身・手などを10回ほど殴打した。その後、再び太いアルミ製パイプを受け取ったHMはCを堤防法面の中段から河川敷へ蹴落とし、アルミ製パイプを用いてCの頭部・背部・脚部などを多数回殴打した。 またKMは走行中のシビック車内で「Eを運転手として利用しよう」などと話していたため「EではなくDに暴行を加えよう」と考え、ミラの後部座席にいたDを車外に出し、堤防上から堤防中段、さらには河川敷へ2回にわたりDを蹴り落とした。そしてKMは河川敷でDに「死ね」などと言いながら細いアルミ製パイプで頭部・背部・腹部・脚部などの全身を多数回殴打したが、倒れたDが「なんで俺がこんなことされなきゃいけないんだ」などと言って自分の足に掴みかかってきたため、「離れろ」などと言って足蹴りした。一方でこのころ、Eは車内に監禁されたままで、Vから「あの音が聞こえるか。あれはCたちを殴っている音だ」「あの人たちはヤクザだ」などと脅されていた。 しかしKM・HMによるC・Dへの暴行があまりにも激しいものだったため、これを見ていたY子は2人に対し「やめやあ」などと言ってその暴行を止めようとしたが、HMはいったんやめてもすぐに暴行を再開したほか、KMはかえってY子に対し「お前もやるぞ、やられたいのか」などと言い返し、Dへの暴行を継続した。そのためY子は堤防上に上り、付近にいたV・Zに対し「止めてほしい」と言ったが、「俺たちでは止まらない」などと言われたため、KAに暴行をやめさせるよう頼んだ。これに対しKAは「言っても無駄だ」と思ってはいたが、Y子に対し「『俺がやめろと言っている』と伝える」と返答した。これを受けY子は河川敷へ戻り、KM・HMにその旨を伝えたが、HMは「俺が責任を取るからいい」などと答え、KMとともに被害者C・Dへの暴行を継続した。またKMは凶器として使っていた細いアルミ製パイプが折れ曲がってしまったため、HMから受け取った太いアルミ製パイプでさらにCの身体を複数回殴打したほか、Dの頭部・背部などを数回殴打した。 HMはY子から「Cを病院に連れていけば助かる」と言われたが「あかん、もう駄目だわ」などと言い、Cのシャツをめくって煙草の火を押し付けた。この時点でCは身動きしなくなっており、Dもうなり声を出すだけでほとんど動かない状態になっていた。その後、堤防上の待避所に車が止まったため、KM・HMはC・Dをそのまま放置してY子とともに堤防上へ上り、KMはV・Y子・とともにEを閉じ込めていたシビックに乗車し、HMもKAとともにミラに乗車してそれぞれ現場を離れた。一連の暴行により、被害者C・被害者Dともに多発損傷に基づく組織間出血で失血死した。2人の遺体は激しい暴行によって頭部が血に染まり、被害者Cの遺体は頭蓋骨が陥没していたほか、多数の骨折(左肩・両腕・大腿骨など)があり、右手中指・人差し指の付け根が裂けていた。 KMはシビックの車内で「1人は意識不明で死んだかもしれん。もう1人はうーって唸っていた。あいつにとどめ刺しとけばよかった」などと言い、運転していたVに車をUターンさせるよう指示して現場へ戻らせたが、現場付近に車が止まっていたためそのまま通り過ぎた。またHMはミラの車内でKAから「死んだのか」などと尋ねられ「1人は死んでるかもしれん。もう1人はわからん」などと答えた。さらにKMはグループの仲間である2人の少女(W子・Y子)が被害者たちへのリンチに手を出さなかったどころか、逆に苦しむ被害者たちを見て「もう死んでしまうからやめて」などと犯行を阻止しようとする態度を見せていたことから「警察に通報されるかもしれない」と恐れ、犯行後に「W子・Y子を後で殺すつもりだ。1人殺すのも100人殺すのも同じだ」と仲間に話した。しかしこの発言が仲間たちを「もうついていけない。今度は自分たちがやられるかも」と恐怖させ、10月13日に仲間4人(W子・X・Y子・Z)が身の危険を感じて自首するきっかけとなった。
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