被害拡大の要因バンプファイアストック
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 01:35 UTC 版)
「2017年ラスベガス・ストリップ銃乱射事件」の記事における「被害拡大の要因バンプファイアストック」の解説
パドックが犯行に使用した火器は非常に連射速度が速く立て続けに何十発もの銃弾を発射可能なもので、軍用のいわゆる自動射撃の可能な「自動小銃」かそれに近い改造のなされた著しく殺傷能力の高い物だった事が分かっている。しかしながら、銃社会のアメリカ合衆国でも、自動射撃のできる自動小銃は、民間には販売されない。軍用銃を民間用に販売する場合、自動射撃機能は付いておらず半自動射撃のみとなる。しかし、反動で前後するような銃床と交換することで、「バンプファイア」という手法を利用し、擬似的な自動射撃を可能にする部品が100ドル程度で販売されており、合法で入手する事が可能である。そして、今回の事件の犯人から押収された18丁の火器の中の13丁にバンプファイアストックが取り付けられており、内12丁を実際に使用した。 その他銃の改造・準備上記以外に銃には、安定性を増す三脚や握把、多数の弾丸を収納できる弾倉、狙いやすくするための光学照準器や望遠照準器などの改造がおこなわれていた。 周到な場所選びマンダレイ・ベイ・リゾート アンド カジノの32階からの銃撃により、上から下へは見通しがよく、また、一か所に2万人以上もの人々が密集していたため、素人であっても、あるいはバンプファイアストックにより命中精度が落ちても、誰かに当たるという状態であった。実際、警察が発表した内容によると1049発を発砲し、604名が負傷及び死亡した為、2発に1発以上は誰かに当たる。もしくは、副次的効果(転倒等)により負傷している。 事件発生時に観客は、どこから銃弾が飛んで来たか分からなかったので、銃撃から身を守る為に地面に伏せた。そのため上から狙撃していたパドックからは、動かなくて狙いやすい的になってしまった。 夜間でもあり、警察がホテルの多くの部屋から狙撃地点を割り出し、犯人の部屋に辿り付くまでに時間を要した。 パドックはホテルの廊下やドアに監視カメラを装着し、警察の接近に備えていた。 弾道計算銃撃現場の写真が公開された時、部屋の机の上にメモが置かれているのが見つかった。当初、メディアやネット上では遺書ではないかと憶測が飛んだが、実際はパドックが自身の高度(高さ)、会場までの距離等を元に「どこを狙えばより多くの人間を殺害できるか」という弾道学を元にした高度な計算を行ったメモであることが捜査当局の情報筋が明かした。これにより、初弾から多くの人が密集していた場所を正確に狙えた可能性がある。
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