衆参同日選挙執行、市長辞職
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「内田喜久」の記事における「衆参同日選挙執行、市長辞職」の解説
1980年6月22日、衆参同日選挙が執行される。愛知県警は昼過ぎから最終の打ち合わせに入り、供述を得やすい市議から身柄を取る方針を決定した。 開票日の6月23日、朝日新聞朝刊は四段見出しで、県警による内田派摘発開始を報じた。午前11時頃には康宏の落選が確定。地盤の岡崎市で総得票数の約41%しか獲得できず惨敗した。同夜、任意出頭した自民クラブの市議11人のうち、浅井正三が買収容疑で、石川新平、沢豊、柴田孝一、本田光木、新海彦二ら5人が被買収容疑で逮捕された。6月24日から26日にかけて、岩瀬信一、萩原智、永田清一、細井一夫、山本富雄、神谷武夫、藤田芳郎、山内誠、山田敏貴ら9人の市議が逮捕された。6月27日には内田も買収容疑で逮捕された。6月30日付で市長を辞職。 7月10日、選対委員長として選挙戦を取りしきった中根薫が被買収と買収容疑で逮捕。7月13日から14日にかけて、伊藤文治、太田杕一、高村正、都築末二、松岡森吉、岡村秀夫、青山秋男、内田裕、大竹一則、三浦元ら10人の市議が逮捕された。 7月16日までに幸田町議会議員が6人、元町議が3人逮捕された。7月26日、元岡崎市議の柴田信市が逮捕された。8月3日までに安城市議会議員7人が逮捕された。 8月6日、岡崎市総代会長連絡協議会長と各学区後援会長10数人の取り調べが始まる。総代会長連絡協議会長は広幡学区の後援会長と自民党岡崎支部副支部長も兼ねていた。容疑によれば会長らは5月下旬、内田の義弟で私設秘書のKと選対の経理担当者の二人から現金10万円をそれぞれ受け取ったとされた。8月12日、額田町議会議員3人が逮捕された(後日さらに1人逮捕)。 8月20日、岡崎市八帖北町のK建設の社長と同市上和田町のD建設の社長が贈賄容疑で逮捕され、内田は収賄容疑で再逮捕された。9月4日、滝町のN組の社長と日名中町のS建設の社長が贈賄容疑で逮捕された。唐沢町のS工業の社長にも逮捕令状が用意されていたが、病気で入院中だったため、同社長は書類送検された。9月11日、東大友町のY組の社長が贈賄容疑で逮捕された。 名古屋地検岡崎支部長小林康人は「選挙資金の入りと出が白日の下にさらされた、全国でも稀有な事件」と総括した。新聞は太平洋戦争における軍部ならびに政府の精神構造を解き明かした丸山眞男の論文を引き、内田選対との共通点を記事にした。 1989年10月25日、名古屋地裁は内田に懲役4年・追徴金2,955万円を言い渡した。内田は判決を不服として即日控訴。1991年10月22日、名古屋高裁は控訴を棄却。最高裁まで争うも、1992年3月に上告を取り下げた。同年4月10日の中日新聞朝刊に、当時県議2期目だった康宏の「上告を取り下げたとは聞いていない。父に直接事実を確認する」というコメントが掲載される。実刑判決が確定し、内田は4月14日までに名古屋刑務所に収監された。
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