著作権の取扱いの経緯
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/10 03:59 UTC 版)
「日本産業規格」の記事における「著作権の取扱いの経緯」の解説
この点山本もぐ「日本工業規格の著作権」(2000)によれば、JISは著作権法による保護の対象となる著作物ではないという見解を、かつて工業技術院標準部が示した。ただしこの場合でも、JISの規格票の末尾に付されている解説は、JISの一部ではなく、その著作権は解説を著した原案作成者に帰属するとしている。 しかしその後、JISCは『21世紀に向けた標準化課題検討特別委員会報告書』(平成12年5月29日)44頁で、民間主導のJISの原案作成の更なる推進を提言した上で、「我が国では、規格原案作成を専業として行っている民間団体はなく、規格作成・普及だけで独立に採算を立てられる状況にはほとんどないものと考えられる」ことから「今後規格作成における民間の役割を更に強化するためには、引き続き民間における規格原案作成を支援していく一方、民間提案((注:工業標準化法)12条提案)に係る規格原案作成者に著作権を残す等、規格作成に係るインセンティブを高める方策を探る」との見解を示した。 この提言に基づき、JISCは著作権の取扱いについて、「日本工業規格等に関する著作権の取扱方針について」(平成14年3月28日 日本工業標準調査会標準部会議決・平成14年4月24日適合性評価部会議決)を定めた。それによれば、①主務大臣または主務大臣の委託を受けた者が作成した原案の著作権は国に帰属し、②利害関係人が作成して主務大臣に提出した原案の著作権はその利害関係人に帰属するとしている。しかし②に該当する場合でも、調査会における調査審議、官報公示及び電子閲覧に伴うJIS原案/同規格の公表及び公衆送信、調査審議において原案の修正、追加などの翻案、さらにJSAによる規格票の販売など、国(主務大臣)は、JISの普及及び他の法令等に当該JISを使用するために必要かつ適切な範囲において、JIS原案/同規格にかかる本著作権者の著作権を制限することができるとしている。 JISCウェブサイトではJISの検索・閲覧が可能である。ただし、閲覧には利用者登録を必要とする(2020年12月2日以降)。また、印刷・購入は不可となっており、購入に関しては日本規格協会が受付を行っている。
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