原案の修正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 04:27 UTC 版)
「国際天文学連合による惑星の定義」の記事における「原案の修正」の解説
8月22日、提案された原案は、2つの点について書き直された。1点目は、新しい分類の惑星の命名の一般化であり(かつての原案では、「プルートン」という用語が明確に選択されていた)、名前の決議については先送りされた。プルートンという用語は、地質学界において、深成岩を表す用語として長年使われていたため、多くの地質学者は、この名前の選択に批判的であった。惑星科学の分野は、地質学の分野と密接に関連しているため、この紛らわしさは望ましくないと考えられた。さらに、フランス語やスペイン語では、冥王星自体のことを「プルートン」と呼んでいることも混乱を招くとされた。 2つ目の変更は、二重惑星系の場合の惑星の定義の見直しである。極端に大きい軌道離心率を持つ二重惑星系の場合、共通重心がどちらかの天体の中に入ったり外に出たりし、軌道上の位置によって、2番目の天体の分類が、衛星になったり惑星になったりする。そのため、系の軌道周期の大部分において共通重心が両天体の外にある場合は二重惑星であると定義が改められた。 8月22日、惑星の基礎的な定義を180度転換することになる2つの公開会議が開催された。天文学者フリオ・アンヘル・ヘルナンデスの案は出席した科学者の支持を得、8月24日までにその支持を失うことは無いだろうとされた。この案は、冥王星を「準惑星」に降格させ、太陽系に8つの惑星のみを残すものだった。最初の会議で行われた議論は加熱し、静力学と動力学の優劣の問題等では、IAUのメンバーは互いに異を唱えあった。主要な対立点は、定義の基準に天体の軌道特性を含めるか否かという点だった。投票権を持つ会員は、冥王星型天体と二重惑星系についての提案や静水圧平衡の質問で真っ二つに割れた。議論は、後日予定される投票に先立って行われる私的な会合に対して「未だ開かれている」と言われた。 「秘密の」交渉に続いて、この日2回目の会議が行われ、役員会議が明確に太陽系外惑星を考慮から除外し、近隣の空間の占有を定義の条件に加えようと動き出した後、妥協案が現れ始めた。
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