船舶共通通信システムとしての整備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 16:13 UTC 版)
「国際VHF」の記事における「船舶共通通信システムとしての整備」の解説
2008年(平成20年)のイージス艦衝突事故を契機に船舶の規模・用途を問わず共通に通信できるシステムの整備が課題となり、総務省は検討会を発足、翌2009年(平成21年)1月に、国際VHFを任意設置である100トン未満の船舶への普及を図ることと報告された。これを受け10月には、北米向けの簡素な機器の導入のため技術基準や検査制度などの緩和を目的に省令等を改正した。この中で、マリンVHF機器からはATIS機能強制を撤廃をしたものの、簡素な機器でも適合表示無線設備であるもののみを簡易な免許手続や定期検査除外の対象としている。 安価な機器を使用できることになったとはいえ、小型漁船は漁業無線が27MHz帯や40MHz帯であるため新規に導入しなければならず、プレジャーボートは無線従事者の資格取得が必須なこともあり、導入・維持のための経費や手間を考え設置に躊躇することがあるといわれている。なお、逆輸入機を非常時に使用できるとして販売するネットショップやこれを無資格、無免許で設置する者があるが、販売はともかく設置した時点で電波法違反の不法無線局として取締り・刑事罰の対象となる。(販売を規制する法令は無く、逆輸入機であっても免許を受けることは可能である。但し、適合表示無線設備ではないため手続きが煩瑣なものとなる。) 近年では国内無線機メーカーから廉価な水に浮く携帯型の国際VHF無線機などが発売されており、数万円で導入できる。 また、アンテナも技適に定められた最大9dBiのアンテナを使用することができ、広範囲に通信ができるように改善されてきている。 免許制度については「三海特にも5W携帯形どまりでなく遠距離交信可能な25W据置形までと非常時にも有効なDSCを使用できるように操作範囲を緩和してほしい」との意見があると報告されている。(報告書のパブリックコメントなどには「北米や欧州にならい国内通信に限定したチャンネルを割り当て、これには資格は不要とし免許を届出制にする」などより一層の緩和を求める意見もある。) システムの有効利用と普及のためには、局数増加に伴うマナー低下を防止し、呼出周波数ch16の聴守慣行を確立することが肝要であるといわれる。
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