航空管制施設など
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2001年3月1日に、航空局の庁舎とともに供用を開始した管制塔が、滑走路32Lの端を見渡せるようターミナル南側に設置されている。航空交通管制は、大阪国際空港周辺の飛行場管制業務、航空管制官等の配置のない地方空港への飛行場援助業務を大阪航空局大阪空港事務所が、着陸前および離陸後の進入・ターミナルレーダー管制業務を大阪航空局関西空港事務所がそれぞれ担当している。また 飛行場管制 大阪国際空港の地上と大阪管制圏(大阪国際空港から半径5マイル、高度3,000フィート以下の空域)の航空機は、大阪航空局大阪空港事務所の管轄である。 地上における交通は原則として以下の区域に分けられているが、A滑走路 (14L/32R)とA誘導路が近距離で隣接しているため、両者は密接に連携している。 地上管制(GND): エプロンからA誘導路(A滑走路手前)までの交通 飛行場管制(TWR): A滑走路より先の2本の滑走路の交通。A滑走路の進入・横断もTWRの管轄である。 1日370回の発着枠にせまる1日363回の離着陸を取り扱い(2005年)、旅客機以外にも報道関係や警察当局などによるヘリコプターの利用も盛んである。2007年には、2本の滑走路を誤認するトラブルや滑走路を誤横断するトラブルなどが立て続けに起こり、航空交通管制のシステム改善が求められた。同年10月10日には、同月5日に発生した誤着陸を受けて、国土交通省からの対策のためのタスクフォース(専任チーム)が大阪国際空港に入った。これを受けて作成された国土交通省の報告では、上記の交通量の多さに加え、同空港の特殊な構造と管制官1人当たりの仕事量の多さが指摘された。前者は、A滑走路は短く大型機には使用しないため、2本の滑走路を「離陸専用・着陸専用」と分離して使用できないこと、また、B滑走路を使用する際は航空機は必ずA滑走路を横断しなければならないことである。後者は、東京国際空港や関西国際空港などでは複数の滑走路に対して複数の管制官が割り当てられているが、当空港では2本の滑走路を1人の管制官が担当しなければならないことである。A滑走路とB滑走路の運用は複雑で、両滑走路の離陸機・着陸機とA滑走路の横断機を1人の管制官が管理するのは負担が大きいとされた。その後、管制業務にあたる人員の増員、着陸滑走路に関する管制方式の改善、管制指示の復唱の確認の徹底、飛行場管制席と地上管制席の連携の強化などの対策が講じられた。 ターミナルレーダー管制 ターミナルレーダー管制は、関西国際空港や神戸空港・高松空港などに離着陸する航空機との安全間隔を設けるため、関西ターミナル管制所による広域一元管制を行なっている。 大阪対空センター(旧大阪飛行援助センター) 大阪空港事務所には航空管制官・航空管制運航情報官の配置がない但馬空港、隠岐空港、石見空港、鳥取空港への飛行場援助業務、航空管制運航情報官の運航援助情報業務を行う大阪飛行援助センター(FSC)が設置されていたが、2021年10月1日に大阪対空センターに移行した。同日付で廃止された中部飛行援助センターより、能登空港、福井空港への飛行場援助業務を受託したほか、旧大阪FSCの航空管制運航情報官の運航援助情報業務を関西国際空港事務所に設置された「関西運航拠点(FAIB)」に移管した。
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