聖書とクルアーンの関係とは? わかりやすく解説

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聖書とクルアーンの関係

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 22:32 UTC 版)

クルアーン」の記事における「聖書とクルアーンの関係」の解説

ムスリム信仰箇条である六信のひとつには啓典(キターブ)があるが、啓典クルアーンのみではない。啓典とは、神が預言者通じて人類の各共同体下した啓示記した教典のことで、クルアーンも、クルアーン以前に神がムハンマド以前預言者たちに下した啓典があったことを明言している。聖書の各テキストはこれらが後の世伝わった物であるとされ、旧約聖書ムーサーモーセ)に下された『タウラート』(『モーセ五書』)、ダーウード(ダビデ)に下された『ザブール』(『詩篇』)や新約聖書イーサーイエス)に下されたインジール』(『福音書』)はイスラム教ではクルアーンとともに四大啓典位置付けられている。ただしこれは、タウラート、ザブール、インジールだけを聖典として認めそれ以外ヨシュア記などを聖典として認めないという意味ではない。ダーウード、スライマーンアイユーブユーヌスなどクルアーン登場する預言者中にもサムエル記列王記ヨブ記ヨナ書など、タウラート、ザブール、インジール以外の書に主に登場する聖書登場人物存在する。あくまでクルアーンの中で言及されているのはタウラート、ザブール、インジールのみであると言う事に過ぎずその三点以外を否定するような教えは特にイスラーム中には見られない。その一方で聖典とされているタウラート、ザブール、インジール現存するものは元々の形とは異なるとされている。 クルアーンそのもの記述では、啓示され当時旧約聖書新約聖書は「真理を照らす光」などと書かれており、元々は同じ神からの啓示であったにもかかわらず現在の聖書人間の手によっていかに変えられてしまったか、ということ示唆している。 このようにクルアーンを見る限りにおいて、啓示され当時聖書誤っているとの記述一つもない。啓示され当時聖書が人の手によって変えられてしまった結果、神はクルアーン啓示したためで、「クルアーン聖書正しさ証明するためにある」と宣言している箇所数多くある。そればかりではなく、「ユダヤ教徒キリスト教徒天国へ行く」との記述もある。現在のイスラム教徒色濃く見られるイスラム他の宗教よりも優位に位置づける」とする思想は、第一聖典クルアーンには見られない。 しかし現状では、伝統的な解釈においてはクルアーンを除く3つの啓典神の言葉歪曲して完全に伝えていないとされ神の言葉そのものであるクルアーン比べる不完全なのであるとされている。現在、イスラム圏いくつかの国では聖書禁書とされている。啓示され当時聖書を「クルアーンと並ぶ聖典」として読書勧めていたが、現在のの手が「勝手に入ってしまったため、どれが神の言葉かわからなくなってしまった現在の聖書は「禁書」としている。ハディースでは、クルアーン聖句と、各地に伝わるムハンマド言行とが、項目ごとに収録されている。聖書には人の手入ってしまった以上、「聖書よりもクルアーン優れている」、「ユダヤ人から聖書の話聞いてならない」との記述出てくるようになるクルアーンでは逆に聖書について聞きたいことがあればユダヤ教徒キリスト教徒聞け」と命じている。 近年ムスリムの間で広まる宗教多元主義論者は、「彼らはただ単にムスリムクルアーン啓示として尊びキリスト教ユダヤ教はじめとする他の宗教それぞれの啓示尊ぶであって優劣はない」という折衷策をとり宗教戦争回避しようとしている。

※この「聖書とクルアーンの関係」の解説は、「クルアーン」の解説の一部です。
「聖書とクルアーンの関係」を含む「クルアーン」の記事については、「クルアーン」の概要を参照ください。

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