絹本墨画淡彩芦葉達磨図
主名称: | 絹本墨画淡彩芦葉達磨図 |
指定番号: | 1935 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1995.06.15(平成7.06.15) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 絵画 |
ト書: | 一山一寧の賛がある |
員数: | 1幅 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 達磨が梁の武帝を訪れたものの教えの通じないことを悟って一本の芦に乗り、長江を渡って魏へ去ったという故事を描いたもので、しばしば禅林で描かれた画題である。本図の達磨は、芦に乗り、左手に六環を備えた錫杖を抱え、右肩から左脇にかけて袋を掛け、顔だけで振り返る姿で描かれる。頭光や足下の波頭の外隈、肉身の均質な墨線、衣の肥痩のある墨線、毛や波の細かな線など、描法を使いわけ丁寧に描かれている。また肉身には薄い赤色が施され、肩に掛けた袋には白描風の文様が描かれる。図の上部には五行の賛と一顆の印が捺されており、「万里西来不自量/且無機語対梁皇/何能猛渇頻回首/愧恨還国江水長/一山比丘一寧拝手「印文不詳」(朱文方印カ)」と読める。 賛を記した元の禅僧、一山一寧は正安元年(一二九九)に来日し、文保元年(一三一七)に示寂しているから、本図は現存する芦葉達磨図としては乾元二年(一三〇三)の規庵祖円の賛がある南禅寺本とならぶ、最も初期の作例ということになる。これまでに指定を受けた芦葉達磨図は、固山一鞏【こざんいつきよう】が東福寺に在住していた貞和元年から三年(一三四五~一三四七)の間に著賛した一図(玉蔵院所有)があるだけであるが、図様の点で、同図や南禅寺本が頭頂を衣で覆い、両手も胸前で組んで隠すものであるのに対して、本図はこれと異なる系統に属する。このような形式の作例には、ボストン美術館本、常磐山文庫本があるが、これら二図がいずれも赤い衣をまとった彩色本であるのに対し、本図はより水墨画としての性質が強く、わが国の初期の水墨画の作例として注目すべきものである。筆技においても中国画であったろう原本に肉薄する、鋭い眼光と堂々たる体躯の再現に成功している点で、優れた作品といえよう。 |
絵画: | 絹本墨画淡彩文殊図 絹本墨画淡彩白梅図 絹本墨画淡彩白衣観音図 絹本墨画淡彩芦葉達磨図 絹本墨画淡彩観瀑図 絹本墨画淡彩達磨図 絹本墨画淡彩釈迦三尊図 |
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