結納の手順
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 03:21 UTC 版)
結納の最も正式な形は、皇室の納采の儀であるが、民間では略式の方法で行われる。民間で行われる結納は小笠原流、伊勢流などの礼法によって体系化されているが、地域・宗教・家系などそれぞれに伝わる多種多様な手順がある。 一般的に次のような手順で行われる。 判りやすくするため、これから結婚する男性側を「新郎家」、これから結婚する女性側を「新婦家」と表記する。 仲人がない場合 昨今は、仲人無しで両家同士で執り行うケースが多く、両家顔合わせ時や、顔合わせ後、日を改めて執り行う。基本的には大切な贈り物の観点から、先方自宅へお届けするが、祝宴の持て成しの段取りからホテルや料亭で取り交わすケースがある。縁起物の性格から吉日【大安・友引・先勝】を選び、人間の体調が整う最良の時間11時頃に執り行うのが最善とされる。 出席者は新郎・新婦、両家親が基本であるが、兄弟や祖父母も同席するケースもある。席順は西日本式は父親、母親、本人。東日本式は父親、本人、母親である。 新郎家が新婦家へ訪問する場合 新郎家が結納品を持参の上、新婦家ご自宅へ訪問する 新婦家は自宅玄関先で出迎える。 新郎家は到着後、玄関先では正式な挨拶は控え、招かれた座敷(床の間)に結納品を整える。 新婦家は座敷で結納品が整うまで待機する。 新郎家は結納品整えた後、結納目録を新婦家代表(親又は本人)へ挨拶し手渡す。西日本では広蓋・富久紗を使用するケースがある。 新婦家は結納目録を挨拶し受け取り、目録等を改める。 新婦家は目録・広蓋・富久紗を別室に預かる。 お茶(関西では昆布茶、関東では桜湯)・お菓子(紅白饅頭など生菓子)を持て成し、会食をする。 会食お開き後、受書を新郎家へ手渡す。西日本では広蓋・富久紗を使用するケースがある。 新郎家は受書を受け取りお開きとする。 料亭やホテルで執り行う場合 新郎家は結納会場へ先着し、結納品を整える。 新婦家は結納開始時間に入室する。 新郎家は結納目録を新婦家代表(親又は本人)へ挨拶し手渡す。西日本では広蓋・富久紗を使用するケースがある。 新婦家は座敷で結納品が整うまで待機する。. 新郎家は結納品整えた後、結納目録を新婦家代表(親又は本人)へ挨拶し手渡す。西日本では広蓋・富久紗を使用するケースがある。 新婦家は結納目録を挨拶し受け取り、目録等を改める。 新婦家は受書を進新郎家へ手渡す。西日本では広蓋・富久紗を使用するケースがある。 新郎家は受書を受け取り改める。 お茶(関西では昆布茶、関東では桜湯)・お菓子(紅白饅頭など生菓子)を持て成し、会食をする。 仲人がある場合 新郎家からの結納納め仲人が新郎家へ赴き、結納品を預かる。 仲人が結納品を新婦家へ持参し手渡す。 新婦家で仲人をもてなす。 新婦家が仲人へ結納品の受書を預ける。 仲人が受書を新郎家へ持参し手渡す。 新郎家で仲人をもてなす。 新婦家からの結納返し(正式には結納納めの後日改めて行われるが、最近では同日に行われることが多い。この場合、新婦側の受書と結納返しは一緒に受け渡しされる。古い考えを重んじる者の中には、結納返しを結納と同日に行うことを「つき返し」といって嫌う者もいる) 仲人が新婦家へ赴き、結納品を預かる。 仲人が結納品を新郎家へ持参し手渡す。 新郎家で仲人をもてなす。 新郎家が仲人へ結納品の受書を預ける。 仲人が受書を新婦家へ持参し手渡す。 新婦家で仲人をもてなす。 結納・結納返しののちに花嫁道具を納める荷納め(荷物納め)が行われるが、最近では省略されたり、結納返しと同日に行われることも多い。 略式には、 仲人と新郎家がそろって新婦家へ赴き、双方の結納品の授受を行い、新婦家が饗応する。 新郎家・新婦家・仲人が料亭やホテルなどに一堂に会し、双方の結納品の授受を行い、会食する方法などがある。 なお、男性が女性の家に婿に入る婿取り婚の場合は新郎家、新婦家の対応が反対となる。
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