結納と法律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 03:21 UTC 版)
判例によれば、結納とは「他日婚姻ノ成立スヘキコトヲ予想シ授受スル一種ノ贈与」(大判大6・2・28民録23輯292頁)、「婚姻の成立を確証し、あわせて、婚姻が成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与」(最判昭39・9・4民集18巻7号1394頁)をいう。 結納の法的性質については、一種の証約手付であるとする手付説、婚姻成立を目的とする一種の贈与であるとする贈与説、婚姻成立を解除条件とする付贈与であるとする解除条件付贈与説、折衷説が対立するが、上のように判例は贈与説をとる。 結納はその目的たる婚姻が成立すれば返還は問題とはならない。婚姻は届出のある場合に限らず、事実上の婚姻関係(内縁を含む)の成立で足りる(通説・判例。判例として大判昭3・11・24新聞2938号9頁、最判昭39・9・4民集18巻7号1394頁)。 一方、結納など婚姻の成立を最終目的として授受された金品は、その婚姻が不成立となれば不当利得となり返還義務を生じる。事実上の夫婦関係の成立が認められない場合は返還義務を生じる(大判昭10・10・15新聞3904号16頁)。双方の合意解消の場合、各当事者は返還義務を負うことになる(大判大6・2・28民録23輯292頁)。一方的な解消の場合には、解消について責めを帰すべき者(有責者)は返還義務を免れず、また、相手方に対する返還請求についても否定される。
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