結成趣意書とは? わかりやすく解説

結成趣意書

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 14:58 UTC 版)

関西・歌舞伎を愛する会」の記事における「結成趣意書」の解説

関西で歌舞伎を育てる会(現関西・歌舞伎を愛する会)結成趣意書は、次の内容である。 「歌舞伎は、日本人生み出した世界誇りうる最高の伝統的舞台芸術一つである。 三百数十年前庶民大衆の中から生まれた歌舞伎も、時代の移り変わりの中で大きく変貌しながら伝統的な古典芸能として保存継承されている。それは歌舞伎が持つ、人間本質性格、美を具現する姿に、現代人として共鳴できるところがあるからである。諸外国歌舞伎高く評価される理由も、まさにここにあると言わざるを得ないしかしながら映像活字による文化氾濫し生活形態意識多様化している現代においては、落ちついて歌舞伎鑑賞しようという若者少なくこのまま放置しておけば伝統ある歌舞伎衰退してしまうのは目に見えている。さいわい、国立劇場がある東京においては毎年高校生や一般むけの歌舞伎鑑賞教室開催され、その地道な活動によって若い世代観客増えている。 一方関西とりわけ大阪における歌舞伎界の現状は不安そのものの状態である。それは、例年五月に上演されてきた顔見世が、今年より姿を消したことでもわかろう。さらに、現在、約三百余り歌舞伎役者のうち、関西出身者は約五十名であるが、その半数以上は東京に住まなけれ仕事支障をきたすという問題もある。 井原西鶴近松門左衛門という、近世日本巨匠を生みだした上方文化面影はどこへいってしまったのだろうか。もともと関西は、日本文化発祥の地であり、歴史的精神的なふるさととして、以来今日まで日本文化発展貢献してきた。 関西復権ルネッサンス呼ばれ、いま精神的文化的な真の豊かさ実現するための実践なによりも求められている。幸い、昭和五十八年度には大阪国立文楽劇場完成させ、多目的に使える関西文化復興のための殿堂にしようという構想がまとめられた。しかし、その完成待っているほど時間的余裕残されていない。今から青少年勤労者中心に歌舞伎人口広範囲育てあげなければならない大阪生まれた文楽は、関係者献身的な努力若者中に関心を持つ者が増えている。 一方歌舞伎はまだ、これからの一層の努力待たれているのである文化育たないところに経済の発展豊かな市民生活の向上は望めない。 関西文化砂漠にしないため、いま市民一人一人自覚参加なによりも求められている。 伝統芸能次代伝え義務が我々に課せられているのである関西で歌舞伎を育てる会は、歌舞伎についての関心みんなで深めるとともに、より多くの人が観劇するよう、市民ぐるみの活動をしようとするのである。 どうか、この会に一人でも多くの方が参加され行動を共にされんことを切望するのである。(昭和53年12月20日結成)」

※この「結成趣意書」の解説は、「関西・歌舞伎を愛する会」の解説の一部です。
「結成趣意書」を含む「関西・歌舞伎を愛する会」の記事については、「関西・歌舞伎を愛する会」の概要を参照ください。

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