結晶と融点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/26 13:54 UTC 版)
ココアバターを構成する脂肪酸のうち、95%がオレイン酸(C18:1)、ステアリン酸(C18:0)、パルミチン酸(C16:0)の3種類の脂肪酸である。単純な組成であるため、狭い温度幅で急激に融解する特徴がある。この融点が体温より若干低めのため、常温で保管でき体温で融解する性質がある。またパルミチン酸・ステアリン酸は飽和脂肪酸であり、さらに未脱臭品はポリフェノールなどの抗酸化成分を微量に含んでいる。このため変質しにくい性質であり、2-5年の常温固体保存が可能である。 産地・豆の種類によって異なるが、ココアバターの融点は一般的に摂氏32 - 36度である。ココアバターは多形の結晶であり、融点の異なるγ,α,β',βの結晶構造を有する。液状のココアバターを徐冷するとα型などの結晶が生成され、ぼそぼそとした感触になる。ココアバターやチョコレートの製品を整形する際は、調温(テンパリング)を行ってβ型結晶を生成する。β型の結晶構造にまとめると生地が滑らかになり、表面が艶かで、歯応えよくパキッと折れるようになる。
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