紙本著色十界図とは? わかりやすく解説

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紙本著色十界図〈/六曲屏風〉

主名称: 紙本著色十界図〈/六曲屏風
指定番号 1898
枝番 00
指定年月日 1990.06.29(平成2.06.29)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文:  十界とは地獄餓鬼畜生阿修羅人・天六道に、声聞縁覚菩薩・仏の四聖加えた仏教独特の世界観であるが、十界すべてを描かない場合でも特殊な六道絵十界図と呼ぶことがある本図も『本朝画史以来十界図屏風として著名なのである
 本図六曲一双屏風に、向かって右より地獄はじめとする六道諸相描き左端には六道輪廻からの救済者として、山あいより湧現し当麻曼荼羅表している。各場面一連の風景中に描かれスヤリ山岳等で自然に区切られる人道以外の五道類型的な表現で、苦界悽惨さは稀薄であるが、いっぽう人間界諸相こまごま描かれ生彩あり、風俗対す関心強さ看取される。さらに六道対置して当麻曼荼羅描いている点は、曼荼羅自体対する強い信仰示していよう。
 本図描かれ当麻曼荼羅は、九品来迎図立像聖衆で表す点に古様が認められ人間界邸宅中にみられる画中画とあわせて十四世紀頃の形式示している。いっぽう、右隻に金箔日輪、左隻に銀箔月輪を表す日月屏風体裁をとり、上方余白金銀砂子野毛装飾的に多用するなど近世風俗画さきどりしている。
 以上のように、本図鎌倉時代から南北朝時代の頃の表現上の特色色濃く残しつつ、次代近世風俗画要素胚胎しており、形式上過渡的な作品として重要である。制作期は室町時代中期下らないとみられる



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