紙本墨画四季山水図とは? わかりやすく解説

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紙本墨画四季山水図〈/六曲屏風〉

主名称: 紙本墨画四季山水図〈/六曲屏風
指定番号 1907
枝番 00
指定年月日 1991.06.21(平成3.06.21)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 絵画
ト書
員数 一双
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文:  本図一双屏風向かって右隻に春・夏景、左隻に秋・冬景を水墨によって表している。松葉には青色、木の幹や岩肌には白梅の花には白色【がく】に赤色などの淡彩をほどこす。
 右隻は中央右寄り高山描き、その右手奥(右より第一扇)には谷間楼閣ろうかく】がのぞく。右端には手前流れ込む渓流があり、第二扇にはこの道を辿る主従の姿があり、高山左手前(第三・四扇)に描かれ楼閣に至る。右隻中央描かれ楼閣露台【ろだい】は左方表された湖に張り出しており、三人高士遠望する画面の手前に巨木点在し湖畔には白梅咲き匂う。以上四扇分が春の景色で、視線左方夏の湖景へと移動する
 湖上には漁舟帆掛船浮かび遠く中島や山波がむ。画面手前が夏を暗示する。湖は左隻の第一・二扇に及ぶ。水鳥群れ飛び湖畔は秋枯れている。
 左隻第三扇以下の四扇は雪景色となる。寒山の懐にある館のたたずまい左端には流れ落ちる滝や雪道歩む人がある。左手前から孤松右方へ幹を伸ばす
 このような画面構成は、瀟湘八景しようしようはつけい】から細部借りて四季構築したもので、四季山水図屏風として一般的なのである前田育徳会所蔵のものをはじめ、同様の構成をなす山水図屏風五点がすでに重要文化財指定されているが、それらはいずれ周文【しゆうぶん】筆の伝承をもっている。これらの作品筆法【ひつぽう】の峻厳さ、構図すぐれた緊張感において共通している。これに対して本図は、例え東京国立博物館本のような先例を引く構図をとるとはいえ、より平明親しみやすい画面となっている。巖石や樹木表現も伝周文画のもつ禅画【ぜんが】的な厳しさ失し、やや説明的ともいえる細やかな描写には、鑑賞風景画としての配慮認めることができる。周文画をいちおう消化吸収した、次世代一段と和様化され四季山水図として位置付けられよう。その制作時期十六世紀に降ると推測されるが、周文山水図屏風の展開を考え上で注目すべき作品である。



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