第3視点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/03 02:56 UTC 版)
「Ever17 -the out of infinity-」の記事における「第3視点」の解説
打越鋼太郎がピョートル・ウスペンスキーの著作『ターシャム・オルガヌム』から発案した概念。同書には「n次元の世界を認識するにはn+1次元の視点が必要」という記述がある。 3次元上に存在する者は2次元的視覚しか持ちえないが、空間内を移動することで3次元自体を知覚する。人間は両目を用いることで2次元的視覚を2つ得て、擬似的に3次元を見ている(立体視)。すなわち、4次元時空を自由に移動できる存在ならば3次元的な視覚を有しているということであり、両目にもうひとつ「第3の眼」が加われば擬似的に4次元を見て時を越えた知覚が可能になるという仮説が成り立つ。 劇中の「第3視点」という言葉には2種類の用法がある。ひとつは、文字通り3次元空間を俯瞰できる高次元からの視点のこと。そしてもうひとつは、そのような視点を有する高次元の存在である。この存在のことを劇中ではブリックヴィンケル (Blick Winkel, BW) と呼んでいる。BWはゲーム世界の出来事を時系列に縛られずに俯瞰できるメタフィクション的な存在であり、いわばプレイヤーそのものに近い。『Ever17』の初期案ではより直截的に「BW = プレイヤー」という表現だったが、「プレイ中に自分の顔が見えたら気持ちが萎えてしまうのではないか」という指摘があり、最終的にはプレイヤーであるとも高次元の住人であるとも取れるあいまいな表現に落ち着いている。 登場人物の何人かはBWと交信し、その視点を借りることで時間を超越した知覚が可能である。ココがその代表で、しばしば不可解な発言するのは未来を知っているからである。またホクトは少年編からココ編に至るまでBWと意識を共有しており、それが原因で記憶喪失になった。BWはホクトとの融合時に初めて劇中世界に現れたわけであり、その世界の中では新たに誕生したも等しいから記憶が白紙状態なのである。そのほか武や桑古木にも第3視点能力の素質がある。原作版では優春もBWと会話しているが、リメイク版の彼女にはBWの声が聞こえなかったため、BWは古代までさかのぼって当時の能力者の力を借り、遺跡に優春向けのメッセージを残すという壮大に迂遠な方法で情報を伝えるしかなかった。
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