第2波 うがい薬会見
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 15:05 UTC 版)
7月12日には修正版大阪モデルの黄信号が点灯し、7月22日には1日の新規感染者数が過去最多となる121人に上ったが、吉村は7月23日から始まる4連休について、府民へ外出の自粛要請はしない考えを示した。7月28日の対策本部会議では黄信号点灯以降も繁華街の人出がほとんど減っていないデータが示され、「黄信号の大きな効果はない」との懸念が示され、同日に一部施設に休業を求める「黄信号2」の基準を決めた。 8月4日、吉村は松井一郎大阪市長、大阪はびきの医療センターと共同で記者会見を開き、「うそみたいな本当の話をさせていただきたい。ポビドンヨードを使ったうがい薬を使って、うがいをすることでコロナの陽性者が減っていく」と述べ、イソジンなどのポビドンヨードを含むうがい薬で1日4回うがいをしたコロナウイルスの陽性患者だと、うがいをしていない陽性患者より唾液でのPCR検査の陽性率が下がるとする研究結果を公表し、「府民には、うがい薬で8月20日まで集中的にうがいを励行してもらいたい」と述べた。この会見は当初、医薬品医療機器法との関係を考慮して「イソジン」などの個別商品名は出さず、「効果がある」などの表現も控え、府が協力して研究を継続するという内容にとどめる方針だったが、吉村の意向を踏まえて変更し、「ポビドンヨードうがい薬によるうがいを励行してください」と明記されたフリップを追加するなどした。これを受け全国で同種のうがい薬の品切れが相次いだが、翌5日に厚生労働省は国として推奨する段階ではないとの見解を示し、日本医師会の中川俊男会長も「科学的根拠が十分ではない」と指摘した。また、うがいとかぜの関係について詳しい京都大学医学部の川村孝名誉教授は、かぜの場合だと過去の研究では水でのうがいとうがい薬でのうがいに感染率の差はないとしたうえで、「ポビドンヨードは、ウイルスだけではなく、もともと口の中にいる細菌を根こそぎ絶やしてしまいかえって防御力が落ちてしまう可能性もある」と指摘した。吉村は同日の記者会見で、「予防効果があるとは、ひと言も言っていない。ぼくが感じたことをしゃべり、『それは間違いだ』と言われたら、ぼく自身、言いたいことが言えなくなる」などと釈明し、買い占めや転売をしないよう求めた。一方で2021年4月25日にはシンガポール国立大学病院の研究者らは、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンとポビドンヨードの喉スプレーがそれぞれ、新型コロナウイルスの感染が激しい密の環境で、感染拡大を鈍化させる一定の効果が認められたとの研究結果を発表した。シンガポールの寮で集団生活する外国人労働者を対象に試験調査したところ、6週間後の陽性率が50%弱と、ビタミンC服用を服用させたグループ(陽性率70%)より低かったとされる。 8月中旬には府内の重症者数が半月で3倍以上に急増した。吉村はこれについて同月14日、「大阪では死者を減らすため、できるだけ早めに人工呼吸器を付けていると聞いている」と述べたが、この発言に対し医療関係者からは事実ではないとして吉村の誤解を指摘する声が相次いだ。
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