唾液でのPCR検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 03:21 UTC 版)
「日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」の記事における「唾液でのPCR検査」の解説
5月2日、唾液を使ったPCR検査する研究が国内外で相次いでいる。厚生労働省も、リスクの低い検査法としている。北海道大学の豊嶋教授は、無症状の感染者に備え手術前の患者を対象に、鼻と唾液の両方で検査する研究を開始した。豊嶋教授は「今後、唾液による検査が主流になる可能性はある」と。厚生労働省は、「検査の選択肢として検討している」と話している。大阪大学微生物病研究所松浦教授は、「長期間ウイルスが含まれることが示されれば有望な方法だ」と話す。 5月16日、タカラバイオは、唾液から感染の有無を調べるPCR用検査試薬を、厚生労働省の認可を経て5月末に発売する。唾液による採取は自分でもでき、自宅で採取して検査機関に郵送することも可能で、検査機会の拡充につながる。 5月28日、長崎大学の河野学長らのチームは、ウイルス感染患者の唾液から検出されたウイルス量が、鼻の奥よりも多かったことを確かめた。長崎県に停泊中のコスタ・アトランチカ号で感染の乗員144人のうち63人を調べ、感染確認の約3週間後に唾液と鼻の奥から検体を採取し、PCR検査でウイルス量を測定した。唾液の方が多かったのは26人、鼻の奥の方が多かったのは3人だった。再び陽性が出る割合は唾液で28人(44.4%)、鼻の奥で6人(9.5%)、いずれも陰性だったのは34人(54.0%)だった。 6月2日、厚生労働省は、国立感染症研究所の唾液でのPCR検査の検体採取マニュアルを改正する通知をした。唾液でのPCR検査が有効とするもので、ウイルス量の最多といわれる発熱から9日間の唾液を採取することを推奨する内容である。また、唾液の採取は患者自らが行うため、回収時の検体容器の取り扱いでは手袋とマスクのみで可とする、医療従事者の感染予防策マニュアルもあわせて改正した。
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