競馬開催への影響
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「馬インフルエンザ」の記事における「競馬開催への影響」の解説
競馬開催への最初の影響は16日の地方競馬の旭川競馬場で実施されたブリーダーズゴールドカップを含む指定交流競走2競走である。2競走へ出走予定であったJRA所属馬2競走計10頭は、JRA管理施設からの移動が制限されたため、旭川競馬場に向かうことができなくなり、競走から除外する措置がとられた。 中央競馬を主催するJRAは当初、ワクチン接種を全頭に対して実施している事から影響は小さいと考えており、16日の記者会見では8月18日・19日の中央競馬(札幌・新潟・小倉)を開催すると発表していた。だが、翌17日朝に週末出走予定の競走馬から163頭を検査したところ29頭が陽性反応を示した為、一転して開催を中止した。 地方競馬では当初感染馬はいないとされていたが17日夜、ホッカイドウ競馬の旭川競馬場でも陽性反応馬が確認され、以後、以下の各地で陽性反応や類似の症状を見せる馬が確認され、防疫強化や公正確保などの観点から開催中止の措置が執られている。 地方競馬の開催影響発表日場所頭数対処8月18日 大井競馬場 1頭 8月18日 および9月2日の開催中止 8月18日 金沢競馬場 3頭 8月19日、20日、26日、27日の開催中止 8月19日 旭川競馬場 1頭 8月21日、22日、23日の開催中止 8月20日 名古屋競馬場 1頭 8月20日、21日、22日、23日の開催中止 8月28日 園田競馬場 53頭 競走馬の確保が困難になった為、8月30日、9月4日、5日、6日、11日、12日、13日の開催中止 8月29日 笠松競馬場 2頭 他競馬場との交流を制限する為、9月9日、14日の開催中止 9月2日 佐賀競馬場 - 9月2日、14日の開催中止 その後も金沢競馬場では8月21日までに全在厩馬529頭に対する検査が実施され、2割を超える117頭に陽性反応が確認される事態となり、一時期、開催再開の目処が立たなくなったと報道された。9月より競馬は再開された。 相次ぐ感染馬の発覚と開催中止の連続に22日、管轄の農林水産省と各競馬主催者が会合を開き、対応を協議。感染拡大を防ぐことが確認され、当面は陽性反応が出た馬を排除した上で競馬を開催することとなった。日本中央競馬会もこれを受けて同日、25・26日の中央競馬の開催を発表。同時に出馬投票時刻を変更し、出馬投票後に検査を行い、陽性反応が出た競走馬を排除した上での開催とすることを発表した。 平素から交流を行っている南関東公営競馬では大井競馬場で陽性反応を示す競走馬がいるため、27日からの川崎競馬では、大井競馬場所属(小林分場、境トレーニングセンター所属馬は除く)の競走馬は参戦を禁止することとなった。東海地区でも弥富トレーニングセンターで陽性反応を示す競走馬がいるため、28日からの笠松競馬場での開催では愛知県競馬組合所属の競走馬ならびに騎手は参戦できなくなった。30日に船橋競馬場で8頭の陽性反応が出たことを受けて、川崎競馬から30日は9頭、31日は18頭の競走馬が競走から除外された。31日、9月17日に開催が予定されているダービーグランプリを2007年度は交流を取りやめ、岩手競馬所属馬限定で開催することが発表された。9月7日には日本テレビ盃が2007年度は南関東限定として開催することが発表された。また白山大賞典も2007年は金沢限定で開催することとなった。 10月には馬インフルエンザの流行も収束する方向に向かっていることから、東京盃より地方競馬側の中央と地方の交流が再開され、中央競馬側でも10月27日より指定競走で、11月3日から特別指定競走でも交流が再開されることとなった。 また8月18日、19日の中央競馬の中止した計6日分の開催は事業計画を変更した上で、福島と中京でそれぞれ2日分と東京と京都で11月23日の開催を追加することとなった。中央競馬が23日に開催することとなり、園田競馬が当初開催予定であった23日の開催を13日に変更。23日に開催予定であった兵庫ジュニアグランプリは20日に開催を変更とし、代替開催を行うことによる影響が早くから現れている。 2007年11月12日、日本中央競馬会は「福島競馬場の乗用馬から馬インフルエンザウイルスを検出した」と発表した。この為、11月10日〜11日の福島競馬場に於けるレースに出走した全ての馬に対して急遽ウイルス検査を実施することになった。翌週17日には「栗東所属馬2頭から馬インフルエンザウイルスを検出した」と発表した。この為、18日の出走予定の栗東所属馬および京都競馬場滞在馬に対して急遽ウイルス検査を実施することになり、京都競馬の出走予定馬で2頭、東京競馬の出走予定馬で1頭が確認され、18日時点では7頭が感染していることが判明した。
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