種子の構造とは? わかりやすく解説

種子の構造

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 16:56 UTC 版)

種子」の記事における「種子の構造」の解説

たとえば、豆は様々なマメ科植物の種子である。これを例に説明する。 豆は、普通、細長い鞘の中いくつか並んで収まっている(アメリカデイゴ豆果)。この鞘は、めしべの基部子房膨らんだのである子房胚珠中に収め胚珠種子発達してもそれを包んでいる。子房由来する構造果実という。 個々の豆の表面は、薄い皮に包まれている。この皮を種皮(しゅひ)と呼ぶ。種皮珠皮由来する種皮をはがすと、中には大きく2つ割れ部分がある。半球形の2つ部分は、小さな出っ張り部分つながりその間には小さな折り重なったような構造みられる半球形の部分子葉(しよう)と呼ばれ発芽する双葉(ふたば)として地上姿を現す種子内に留まるものもある)。丸く膨らんでいるのは、栄養蓄えられいるからである。 子葉をつなぐ出っ張りは、胚軸はいじく)と呼ばれ芽生えたになる部分である。胚軸に続く部分子葉反対側)が根となる幼根である。間に挟まった折り重なったものは、双葉次の本葉が既に形成されているのが見えているのであるこのように種子中には、既にこれから発芽する含まれている。 カキ種子では、中の様子がかなり異なっている。種子半分に切ると、幼い植物体は種子比べてずっと小さく種皮中には半透明固いものが詰まっている。これは胚乳呼ばれ胚嚢はいのう)の中央細胞2つ極核を含む)と花粉管内に生じた精細胞1つ受精したもの(としては2個の極核と1個の精核合計3つの受精する)に由来するこのような種子では、胚乳栄養蓄えられている。イネムギでは幼植物種子末端部分にあり、種子本体大部分胚乳占める。 基本的に被子植物種子は、カキ例のように、発生出発点において極核を含む中央細胞精細胞受精した3倍体由来する胚乳生じるが、マメ科など一部植物では二次的に胚乳退化しかわりに子葉などに発芽のための栄養分蓄える。ほかに、ラン科エビネ種子)など若干植物で、発芽のための蓄え持たず菌類との共生依存するなどして発芽する例がある。裸子植物胚乳は1倍体の雌性配偶体自体由来しシダ植物前葉体相同器官で、被子植物胚乳とは異質な面がある多く種子は、幼植物発芽するための栄養分子葉胚乳蓄えているため、動物から見れば魅力的な食料である。人間食物中にも種子はさまざまに用いられ、特にマメ科イネ科のものは、しばしば主食位置占める。主食使われるイネ科種子穀物と呼ぶ。蓄えられる栄養分は、デンプン油脂の形である場合が多い。

※この「種子の構造」の解説は、「種子」の解説の一部です。
「種子の構造」を含む「種子」の記事については、「種子」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「種子の構造」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「種子の構造」の関連用語

種子の構造のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



種子の構造のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの種子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS