研究開発サービスの仲介取引
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 23:05 UTC 版)
「研究開発サービス業」の記事における「研究開発サービスの仲介取引」の解説
日本の研究開発サービス取引は、系列グループ内部での取引が大半を占め、系列外企業への委託は例外的である。その原因として、アイデアの盗難といった受注側(中小企業中心)の懸念と、開発動向の漏洩や技術レベルに係わる信頼性の問題といった発注側(大企業中心)の懸念があると考えられる。 このような情報の非公開性・非対称性が存在する市場においては、発注者の匿名性や適正な技術レベル・技術成果が担保され、また受注者に適正な対価を獲得できるよう第3者の立場から取引を仲介する取引市場の確立が必要となる。 大田区や川崎市産業振興財団、京都試作プラットフォームなどが、技術ニーズ・シーズのマッチングを支援している。 米国では、商品開発にあたって外部ソースを50%利用することを掲げたP&G社の「コネクト・アンド・ディベロップ戦略」に見られるように、研究開発にあたって外部リソースの活用が進んでいる。このオープンイノベーションの進展を背景に、ニーズに合った研究開発業者を世界中から見つけ出せるよう民間の仲介事業が発達している。 代表的な仲介事業者としては、ナインシグマ社やイノセンティブ社が挙げられる。ナインシグマ社は2006年10月に日本法人を設立し、日本で初めての民間の研究開発に係る仲介事業者として活動しており、米国本社、欧州支社(ベルギー)とのグローバルネットワークにより、世界200万以上の科学技術者をネットワークし、年間10000件以上の技術提案を集めている。イノセンティブ社も、北米、中国、ロシア、インド、東欧を中心に175ヶ国、約10万人の研究者が参加するなど、グローバルな展開を見せている。 世界中から最先端のイノベーション情報を集める動きとして、米国で毎年CoDevフォーラム(事務局:PDMA、The MANAGEMENT ROUNDTABLE)が開催されており、2008年はゼネラル・エレクトリック、ヒューレット・パッカード、IBM、マイクロソフトなど100社を超える参加があった。
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