石川県矢田野エジリ古墳出土埴輪とは? わかりやすく解説

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石川県矢田野エジリ古墳出土埴輪

主名称: 石川県矢田野エジリ古墳出土埴輪
指定番号 516
枝番 00
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 考古資料
ト書
員数 一括
時代区分 古墳
年代
検索年代
解説文: 本件石川県小松市矢田野エジリ古墳から出土した人物・馬・円筒朝顔形埴輪三〇箇である。
 石川県小松市南部の月津【つきつ】台地は、加賀三湖呼ばれる湖沼群に囲まれた低平な海成台地で、この台地上には古墳時代後期古墳群複数存在している。
 矢田野エジリ古墳は、この台地上に所在し昭和六十三年宅地造成先立つ試掘調査発見された。墳丘および主体部は、過去宅地化されていたため削平されており、周溝のみが検出された。周溝形状から、本古墳全長二九・七メートル前方後円墳であったことが判明した
 本件は、この周溝内から出土した一万点を超える埴輪のうち、接合作業によって全形復元された、人物一一箇・馬二箇の形象埴輪、および円筒埴輪一五箇と朝顔形埴輪二箇で構成される人物埴輪構成する女子像・男子像、また馬埴輪は、すべて赤灰色から紫灰色特徴的な発色をした、硬質感じいわゆる須恵質の埴輪である。
 人物埴輪注目されるのは、馬に跨る姿態の二箇の男子像である。馬とは別個に製作されているが、各々が馬の鞍にしっかり納まり、製作の当初から組合せ意識していた可能性大きい。また、これに付随して馬子【まご】と考えれる男子像も二箇あり、これらが各二組でセットをなすことを示している。
 また円筒埴輪全高五〇センチメートル口径三〇センチメートル、底径二〇センチメートル標準的な法量で、三突帯四段構成をとる。全体として、製作途中で上下逆転させて円筒作り上げる倒立技法〝が主体占める。円筒埴輪のうち、倒立技法を用しているものの大半人物・馬と同様に発色し須恵質の埴輪で、内面倒立成形境界部には須恵器の製作過程用いられる同心円当て具を用いた調整痕が明瞭に残されているものもある。
 朝顔形埴輪全高七〇センチメートル口径四〇センチメートル標準的な法量で、これも倒立技法によって製作されている。人物・馬と同様に発色し須恵質であり、内面には同心円当て具痕が明瞭である。
 本埴輪一括は、質・量ともに北陸では最大のものであり、当地でも関東地方みられるような人物埴輪をもつ埴輪祭祀存在したことを示すものとして貴重である。とくに、馬・馬上の人物・馬子の完全な組合せ全国的に類例がなく、学術的にきわめて価値が高い。服装や髷の表現方法など、造形細部稚拙な点があることは否めないが、目を盛り上げて立体的に表現するなど、工夫凝らされている。
 なお、附とした埴輪破片も、本古墳出土資料として併せて保存図りたい
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