県外展開とサービス深度化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 22:18 UTC 版)
「大垣共立銀行」の記事における「県外展開とサービス深度化」の解説
元来、大垣共立銀行は、岐阜県内では規模及び業務面から県都岐阜市に本店を置く十六銀行の後塵を拝していた。そこで、大垣共立銀行がとった政策は、積極的な「県外進出」と、マス・リテール戦略に基づく、「サービス深度化」であった。こうした政策の類型はスルガ銀行やかつての西京銀行にも見られる。 店舗展開においては、2006年(平成18年)時点で、岐阜・愛知・三重・滋賀・東京・大阪の6都府県に店舗を有し、地銀の県外進出の先駆けとなっている。東海地方の全国地方銀行協会加盟銀行では最も広範囲な展開でもある。 特に愛知県には県内競合金融機関の十六銀行の本格的進出が第2次世界大戦後(正確には大正年間に名古屋市に進出したものの、不良債権を築いただけで1921年に撤退)であったのに対し1923年(大正12年)に進出、現在では県内に全店舗の3割にあたる46ヶ店舗を展開し、進出地銀では最大の預貸金量である。また、2007年(平成19年)度中には愛知県内向け貸出金総額は、岐阜県内向け総額を超えるのは確実とされる(2007年1月19日付ニッキン紙)。三重県・滋賀県には1926年(大正15年)に進出し現在でも桑名支店(三重県桑名市)・長浜支店(滋賀県長浜市)は同地でも存在感のある店舗になっている。 独自のあるいは全国初となる一連のサービス深度化は、“収益にほとんど寄与しないとの大手証券アナリストの指摘”(2005年1月25日付日経金融新聞)もあるが、大垣共立銀行の狙いは“斬新なサービスによる知名度向上で、新規顧客獲得へつなげる戦略を立てている”(同)。その結果、2005年(平成17年)のダイヤモンド社の調査では、「顧客満足度で全国第1位の銀行」に選ばれた。また、2006年(平成18年)8月30日に日経新聞が三大都市圏の消費者を対象に行った地域金融満足度調査でも、大垣共立銀行は、利便性が高く評価され86.2点を獲得し首位となった(なお、近隣金融機関では岐阜信用金庫が77.2点で13位、十六銀行が77.0点で15位)。ちなみに第9代頭取土屋斉(第11代頭取・嶢の実父)は、元々同盟通信社出身のマスコミ人であり、PR戦略に長けた人物であった。 サービス深度化の先駆けとなったのが、ATM稼動の順次延長である。1990年(平成2年)6月より日曜稼働キャッシュサービスコーナー「サンデーバンキング」を開始し、1994年(平成6年)9月には、ATM365日無休稼働「エブリデーバンキング」、1995年(平成7年)1月には、機械の稼働開始時刻を午前8時45分から午前8時に繰り上げる「モーニングバンキング」(同年6月には午前7時に変更)を開始し、いずれも全国初であった。 これらの政策は、個人取引に強みを発揮し、2007年(平成19年)3月期現在、預かり資産(公共債、外貨預金、年金保険、投資信託の合計)は7,123億円、個人ローンは7,367億円と、ともに東海3県に本店がある地方銀行・第二地方銀行間でトップの残高となっている。
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