直木三十三の悪ふざけとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 直木三十三の悪ふざけの意味・解説 

直木三十三の悪ふざけ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:42 UTC 版)

文藝時代」の記事における「直木三十三の悪ふざけ」の解説

しかし、同年文藝春秋11月号に載った文壇諸家価値調査表」(文士採点表)をめぐり、その遊び行き過ぎた誹謗底意感じた今東光横光利一怒り心頭した。 東光は、「人を軽蔑するのも甚だしいもんだ。若し、これを白日の下で、天下の衆に披露して憚らないならば、菊池寛こそ怪しむべき編集者である」として、「こんな下劣野卑な文藝春秋』に執筆しないことだ……損傷され作家達よ。この名誉恢復のために立ち給へ」と煽動した。 その採点表は、直木三十三(のち「三十五」と改名)が作成したもので、各文士の〈学殖〉〈天分〉〈修養〉〈度胸〉〈風采〉〈人気〉〈資産〉〈腕力〉〈性慾〉〈好きな女〉〈未来〉を、100点満点中の何点なのか採点し60点以上を及第60点以下50点迄を仮及第80点以上を優等、と判別していた。 横光は、「俺は自分一個腹立たしさではないのだ。こんなことを平気で文藝春秋がやつたと云ふことは第一、君(川端)と僕との顔をもうめちやくちやに踏み潰したんだ。君と俺との文藝時代の者達に対す苦境なんかも全然無視したやり方だ」と憤慨した。「文壇諸家価値調査表」で、川端は〈修養〉〈性慾〉だけが優等東光は〈腕力100点、〈資産〉が「不良性」、〈好きな女〉が「女優」、〈修養〉〈人気〉が劣等横光は〈修養〉〈度胸〉だけが優等で、〈資産〉のに「菊池寛と書かれていた。 東光は『新潮12月号の誌上で、この採点表掲載許可した菊池寛と『文藝春秋』に対し、「日々春秋社に寄集する大たわけ、一人喧嘩出来ない奴、鼻毛を読みながら生きてゐる四十男、才能のない文学狂、それらの中に坐して恰もユーゴー気取る菊池寛が、憂鬱にならない嬉々としてゐるならば、余は彼の神経を疑ふのだ」と毒舌吐いた。 さらに、「文壇北条高時よ」と菊池呼びかけ、「御身はもう衰亡の秋(とき)を自覚するべきである」とし、同誌への執筆拒否宣言憤慨声明を以下のように述べたよくよく平凡なよくよく賤しむべき新聞記者根性か、ポンチ酒袋のやうな裏長屋女房根性かである。菊池寛自身が「近時文芸が、楽屋落的であり、ゴシツプ的であり、仲間的であることは、いよいよ文芸一般的価値減じてゐるのではないか」と言ひながら、ゴシツプ問屋でおさまつてゐるでないか。それも好い人格無視して人の名誉を徒らに損つて袂をやるくらゐなら、一層コウタリイであることの方が、どれほど美しいかしれないのだ。 — 今東光文藝春秋無礼横光同様に東光の家で書いた反駁投書原稿を『読売新聞』に速達送りその足で川端下宿立ち寄り報告するが、それを知った川端に、東光菊池弟子でもなく世話にもなっていないから怒って当然だが、君は可愛がってくれている恩人背いてはいけないと諌められた。横光はなんとか昂奮鎮め川端一緒に急遽読売新聞社出向き、その原稿撤回した読売返還拒んだが、代りのものをその場書いて渡し事なきを得た東光の文が『新潮12月号に掲載されるのを知った川端は、同月号の『文藝時代』に、「『文壇諸家価値調査表』を書いたのは直木三十三だ。(中略)ケシカラヌデタラメである」と表明しつつも、「しかしそれを掲載したからと云つて、例へ今東光君のやうに菊池寛氏や文藝春秋責めやうとは、私は思はない」という一文書いた

※この「直木三十三の悪ふざけ」の解説は、「文藝時代」の解説の一部です。
「直木三十三の悪ふざけ」を含む「文藝時代」の記事については、「文藝時代」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「直木三十三の悪ふざけ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「直木三十三の悪ふざけ」の関連用語

直木三十三の悪ふざけのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



直木三十三の悪ふざけのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの文藝時代 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS