生活保護関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 08:50 UTC 版)
「護られなかった者たちへ」の記事における「生活保護関係者」の解説
沓沢(くつざわ) 60代の頭頂部にわずかに白髪が残った男。ハローワークにも通っているが、就職できないと生活保護を申請するために仙台市青葉区福祉保健事務所を訪れる。父親の遺産相続問題で揉めたため、兄弟とは縁を切っている。仕事をやめるまでは女房と子供もいた。 渡嘉敷 秀子(とかしき ひでこ) 生活保護受給者。秋穂(あきほ)という娘と2人で仙台第三雇用促進住宅宿舎(通称室山団地)C棟705号室に住む。41歳だが、化粧っけもなく目も落ち窪んでいるため、50代に見える。役所に内緒でスーパーサクライ岩切店で3か月も前からパートを始めており、そのお金で娘を塾に通わせていた。 国枝 恵二(くにえだ けいじ) 生活保護受給者。短髪の小男。ヤクザから足を洗い、生活福祉団体の職員を伴い、利き腕が動かないという医師の診断書を持参して生活保護を申請したが、実はヤクザ構成員のまま。ベンツC180ブルーエフィシェンシーアバンギャルドを購入しているとして、市民から通報された。女房と子供がいる。 佐々木(ささき) 老婆。ビル清掃の仕事を2か月前にやめさせられ、唯一の身寄りだった息子夫婦も津波で流され、電気も止められているにも関わらず、人聞きが悪い、人様の税金から出してもらうなんて迷惑だと生活保護受給を渋る。 市川 まつ江(いちかわ まつえ) 74歳。塩釜市北浜在住。歩行するにも覚束ない足取り。 過去、生活保護申請書の6枚綴りの書類の書き方がわからないと訴えたにも関わらず、「記入例の通りに書いてください」の一点張りだった三雲から、結局書類不備で却下され、その後何度も窓口に行ったところ、最後には警察を呼ばれた。 瀬能 瑛助(せのう えいすけ) 54歳。塩釜市本町在住。若い頃に事故で足首を負傷し、片足が不自由で力仕事ができない。空き缶を拾って生計を立てている。 過去、障害年金ももらえず、勤めていた会社からもリストラされたため、恥をしのんで生活保護の申請に行ったが、三雲に「生活に困窮されているのでしたら、その証明さえできれば申請は通ります」と悪魔の証明を求められたうえ、書類不備で却下された。 郡司 典正(ぐんじ のりまさ) 60歳。塩釜市尾島長在住。三雲が死んだ時は栄養失調と気管支炎で入院していた。 過去、自営していた製紙工場がつぶれ、生活保護の申請に行ったが、資産調査が全て終了しないと申請できないと三雲に見下すような目で言われたあげく、複数の口座と銀行に照会するのに時間がかかり、「金融機関からの協力が得られない以上、調査の継続は困難」と申請却下された。 高松 義男(たかまつ よしお) かつて生活保護を申請しようとした高松ひで子の次男。 過去、ひでこが生活保護申請に行ったにも関わらず、10年以上前に東京へ行って音信不通の3つ上の兄の照会がとれない限り申請は受け付けられないと難癖をつけられ、受給できないうちに体調を崩して死んでしまったため、三雲を恨んで抗議しに行った。 自身は福島市内の建売住宅に妻と子供2人の4人家族で暮らしているが、共稼ぎでも生活は楽ではないため、ひで子の扶養照会書には母親を扶養できない旨を記載した。
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