現代の水筒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 15:18 UTC 版)
現代の水筒は、主にアルミニウム、ポリカーボネートをはじめとした各種の合成樹脂、ステンレス、さらにチタンなど、軽くて強度のある材料で作られている。 他に、学校での遠足やピクニック・外出等によく用いられる、保温・保冷機能を持つ魔法瓶タイプのものに関しては、ガラス製の二重真空構造の内瓶とプラスチックまたは金属製の外装を組み合わせたものが長らく主流であったが、近年では[いつ?]耐久性・耐衝撃性を重視し、オールステンレス製品への移行が著しい。 スポーツ医学の発展に伴い、かつての「水を飲むとバテるから練習中にはのどの渇きを我慢する」といった根性論に基づくトレーニング法が廃れ、熱中症などの危険を避けるためにものどの渇きを覚えた際には出来るだけすみやかに水分を摂取し、脱水症状を防ぐべきだという考え方が主流になっている。これに伴い、運動中に常に飲料を携帯する容器として水筒の重要性が見直されるようになった。市民マラソンなどのスポーツイベントの場においては、片手に自前の水筒(スポーツボトルなどと呼ばれる)を持ちながら走っているランナーの姿を多く見ることができる。 かつては、学校での遠足やピクニック・外出などでは水筒をぶら下げながら使用する光景が一般的であったが、先述した通り主にストラップやカバーなどを付けたペットボトルに代わりつつある。 ロードレースに代表される自転車競技では断続的に小まめな水分補給が必要になるため、自転車フレームにボトルケージを取り付けるためのねじ穴が予め開けられており、走行しながら開閉し飲みやすく工夫された複数の小さなボトルを携行する。 同様に長距離を走るサイクリング等でも利用されるが、公道において走行中の水分補給が片手運転になる場合は日本の法律に触れるため、信号等で停車中に素早く補給を済ませる為に利用される。 また、1990年代頃より登場した、プラティパスに代表されるフィルム状の柔軟な高性能プラスチックで作成された水筒は、かつての「水袋」や「ビニール袋」のイメージとは異次元の物であり、柔軟でありながら強度も高く、滅多なことではパンクしない。しかも高温にも強く、消毒などのために煮沸もできる。使用しない時には平らに潰したり折り畳んだりしてコンパクトに運ぶことができ、非常に軽量でもあるため、登山など装備の小型軽量化を重視するアウトドアスポーツでは瞬く間に主流となった。 さらに、これらの柔軟なプラスチックフィルムの大容量水筒を背中のバックパックの中に収め、口元まで伸びるドリンキング・チューブを装着することで重い水を運ぶ負荷を軽減させ、かつ動きながらでもチューブを口に咥えれば即座に水を飲めるというハイドレーションシステムへと進化しており、トレイルランニングのように長時間にわたって運動量の高いスポーツでは多く利用されている。
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