牛汁の誕生(2008-2010)
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「名張牛汁」の記事における「牛汁の誕生(2008-2010)」の解説
名張市を代表する食材と言えば伊賀牛であるが、同じ三重県の銘柄牛の松阪牛と比べれば低価格であるとはいえ、ステーキやすき焼きといった既存の伊賀牛料理は決して気軽に食べられる価格ではなく、伊賀牛の知名度も今ひとつであった。そこで伊賀牛を観光客へ売り出すご当地グルメにできないかと名張市観光協会の事務局長だった人物が、2008年(平成20年)より畜産業者3社と共同で商品開発に乗り出した。牛丼や牛肉コロッケなどさまざまな商品を試した中で、名張商工会議所青年部のメンバーの1人が「祖母が伊賀牛のくず肉ですまし汁を作ってくれた」と話したことをきっかけに、牛汁にたどり着いた。牛汁は伊賀地方の精肉店で賄い料理として食べられてきたすまし汁をもとに名張商工会議所青年部が「あっさりと食べやすい味にこだわって」開発し、2008年(平成20年)に商品として完成した。青年部のメンバーは完成した牛汁を携え、三重県内外のイベントで積極的に販売したものの、知名度不足から多くても数十杯しか売れず、汁の中におにぎりを投入してボリューム感を増すなど改良を重ねる日々がしばらく続いた。 牛汁を店舗のメニューに加えてもらうにあたり、景勝地である赤目四十八滝周辺の事業者の多くがうどんを取り扱っていることに注目し、「肉うどんのうどんなしの要領で」と依頼することで業者に新メニューの負担感を軽減する作戦が採られた。こうして名張牛汁は伊賀牛を使いながらも安価であり、名張市の観光事業者の間で期待の一品として登場した。2009年(平成21年)4月28日より赤目四十八滝周辺の旅館や飲食店7事業者が赤いのれんを店頭に掲げて提供を開始した。千手滝の前の店舗が単品で提供するほかは、「牛汁定食」や「牛汁御膳」の名前でセットメニューとして売り出した。赤目四十八滝周辺のみでの提供から始まったが、当初から将来的な名張市全域での提供を目標としていた。一方、名張牛汁の宣伝活動はあえて名張市内では行わず、地域外での宣伝に注力し、結果的に成功することとなる。 2010年(平成22年)4月4日、四日市市諏訪栄町のグリーンモール商店街で開かれた第2回三重県ご当地グルメ大会に出場し、独自のマイクパフォーマンスで客の関心を惹いたが、出場した四日市とんてき、亀山みそ焼きうどん、津ぎょうざの中で最下位に終わった。同年11月7日には名張商工会議所青年部が第3回三重県ご当地グルメ大会を名張に誘致し、名張市上本町のサンロードで開催、焼きおにぎりを加えるという工夫をほどこして前回の雪辱を果たし優勝した。この大会には前回の出場料理に加え熊野さんま寿司も出場した。この年には提供店舗が10店に増え、赤目四十八滝周辺以外にも広がった。
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