液晶ディスプレイ一体型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/06 16:04 UTC 版)
「省スペースパソコン」の記事における「液晶ディスプレイ一体型」の解説
現代の家庭用省スペースパソコンの主流をなすのは、液晶ディスプレイ装置と本体を一体としたものである。黎明期のパソコンの中には、本体に1-3行程度の、プログラマブル電卓用などと同形式の液晶ディスプレイを内蔵するものもあったが、ここではそれらには触れず、省スペースパソコンの概念が確立して以降に登場した機種に限るものとする。 このようなタイプは、そのデザイン上の自由度が高く、さまざまな形態のものがあるが、その内部の配置を大雑把に分類すると、液晶パネルの背面にメインの基板とドライブ装置などを配置したものや、液晶パネルを支えるアームの基部にパソコン本体を内蔵したものなどがある。今日主に家庭向けとして一般的に見られるものは、17インチ以上の比較的大型の液晶パネル、特にワイド型の液晶パネルを用いているものが多い。一方、業務用でもこのような製品は多く使われており、一般事務用の場合はもちろん、特に不特定多数の人間が触れるような端末、あるいは窓口業務用の端末として使用される場合にはこの手の製品が選択されることが多い。 PC-9801Tのようなキーボード分離可能なラップトップ型が、この手の製品の走りであると思われる。また、現代の製品につながる流れとして、たとえば日本IBMのPS/55Eという機種がある。これは、機構的にはノート型PCの本体部分とディスプレイ部分の配置を換えたものと見るのが妥当なのだが、外見上は、最も小型のスリム型パソコンに液晶パネルを組み合わせたものといったほうがイメージしやすいだろう。これは、省エネルギーPCとしての側面をおおきく打ち出した機種であったが、結局このような形態から派生して、本体部分をより小さく、液晶パネル面積をより大きくという方向性で突き進めたのが現代の液晶ディスプレイ一体型パソコンであると考えられる。この手の製品は、富士通やソニー、日立、NECといった日本メーカーのラインナップが充実している。海外のメーカーでは、かつてはアップルのiMacシリーズが目立つくらいであまりたくさんの機種があるとはいえなかったが、ヒューレット・パッカード、デル、ASUSなどから低価格の一体型パソコンが続々と発売され、日本以外の国でも人気のある形態になってきている。
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