液晶ドライバインターフェース技術の比較
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/16 00:34 UTC 版)
「CalDriCon」の記事における「液晶ドライバインターフェース技術の比較」の解説
新たな次世代ドライバインターフェースの中で、CalDriConは特にドライバICの使用環境に配慮されているといえる。2.0Gbpsの高速化、クロックとデータのずれ(スキュー)調整、電源やグラウンドのノイズに対する耐性が強いものとなっている。 液晶ドライバインターフェース技術の比較 名称mini-LVDSAdvanced PPmLCalDriCon 信号線1対当たりのデータ伝送速度 ~340Mpbs ~2.0 Gbps ~2.0 Gbps 接続方式 バス接続 Point-to-Point接続 Point-to-Point接続 マルチドロップによる波形品質劣化 影響あり 影響なし 影響なし クロック・データのスキュー調整 不可 不要 自動調整 電源・グラウンドのノイズ耐性 強い(ドライバICはPLL不要) 弱い(ドライバICのPLLが影響を受けやすい) 強い(ドライバICはPLL不要) ドライバICは通常、チップ・オン・フィルム(COF)によりフィルム状の配線基板上に直接実装されるため、電源やグラウンドの揺れによるノイズの影響を受けやすい。mini-LVDSやRSDSなどの従来の液晶ドライバインターフェースは、差動信号伝送技術をベースとしているため、これらのノイズ耐性は強いが、クロックとデータのずれ(スキュー)の調整ができないため、1Gbpsを超える高速化の実現には困難が伴ってきた。 これに対して、次世代ドライバインターフェースの多くは、クロック・データ・リカバリ(CDR)技術を用いることにより、クロックとデータのスキュー調整が必要なくなり、これによりデータレートを1.6Gbpsなどの1Gbpsを有意に超える水準で、高速化の実現に成功している。しかしながら、CDR技術を用いたドライバインターフェースはデータを受信するドライバICの位相同期回路(Phase-locked loop、PLL)が必要であり、COFによりフィルム状の配線基板上にあるために、一般的には電源やグラウンドのノイズの影響を受けやすい。 CalDriConは、クロックを重畳する代わりに、ドライバIC側での受信用サンプリング最適ポイントを判定し、その情報を送信側でのクロックとデータの位相調整を行って反映させるため、高速化を実現しながら、スキュー問題を解決し、電源やグラウンドの揺れに対する耐性も強いドライバインターフェースとなっている。 また、mini-LVDSはバス接続を基本としており、接続するドライバ個数の増加に伴い、伝送路の分岐数も増加し、その反射により波形が劣化する形で影響を受ける。これに対して、CalDriConを含めて次世代インターフェースの多くは、Point-to-Point接続であり、伝送路の分岐の影響を受けないことから、伝送路での反射により波形が劣化する影響は、バス接続のインターフェースに比較して少ない。
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