江戸時代中期から後期の細倉鉱山とは? わかりやすく解説

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江戸時代中期から後期の細倉鉱山

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/06 02:43 UTC 版)

細倉鉱山」の記事における「江戸時代中期から後期の細倉鉱山」の解説

18世紀江戸時代中期以降細倉鉱山仙台藩最大の鉛を産出する鉱山となった18世紀中期延享年間古文書では細倉鉱山は他の鉱山と並ぶ形の記述であるが、これが18世紀末寛政年間古文書になると細倉鉛山は他の鉱山別立て記述となり、28もの鉱脈があるとの記録残っており、盛んに鉛を採掘していたことが伺われる。そして19世紀前半文化文政期になると細倉鉱山は更に発展見せ古文書上で紹介されている鉱脈30越えた鉱山隆盛見せる中、1808年文化5年)には祭神として鉱山守り神とされた大山祇神金山彦神金山姫神祀る倉山神社創建された。 江戸時代通じて細倉鉱山山師採掘精錬行い生産された鉛などを仙台藩定価買い上げ仙台藩買い上げた鉛を市場販売し利ざや得ていた。江戸初期から中期にかけては零細な山師たちがそれぞれ採掘精錬担っていたが、中期以後細倉鉱山の鉛の生産力上がるにつれて零細な山師淘汰進み山師代表ともいうべき惣山師立が採掘精錬を行う技術者たち束ねるようになってきた。また惣山師立は仙台藩から鉛を買い付ける商人たちから資金援助を受け、更に経営規模拡大していった。、1824年文政7年)には、鉛の精錬これまでの焼吹法から新たな精錬法である生吹法が採用されるようになった。生吹法は精錬時に加えることによって精錬時に消費する木炭大幅に減少させることに成功し、鉛の生産量増加大きく貢献した。また生吹法は鉛の精錬日本初め使用したもので、技術的に見て大きな進歩であった当時、鉛は屋根瓦鉄砲玉白粉など、鉛そのもの需要もあったが、何といって灰吹法によって粗銅から金や銀を回収するために大量の鉛が必要とされた。これは溶融した粗銅に鉛を加えて精銅と金銀を含む貴鉛を分離するもので南蛮吹呼ばれる。細倉山神社水盤中には1816年文化13年)に大坂銅吹屋精錬業者である吹屋から奉納されたものもあって、細倉鉱山の鉛が大坂銅吹屋利用されたことが明らかになっている。細倉鉱山産出された鉛は、仙台送られるものの他に、藩の廻米江戸へ輸送する御用船積荷一つとして石巻から出荷されており、大坂へは江戸から更に転送されたものと考えられる細倉鉱山奥羽山脈山麓鉱山であったから、産出された鉛の輸送には多大な労力かかった江戸時代においては輸送人馬の力に頼らざるを得ず輸送は主に鉱山のある鶯沢村農民徴用されていたが、農民たちに支払われる運賃が安いとトラブルになった記録残っている。また鉱山経営には精錬用に必要である木炭、生吹法で使用される精錬用の、そして鉱山で働く労働者たちの食料などを入手しなければならなかった。仙台藩では山林基本的に有地になっており、木炭は藩有地である山林から入手できたが、地域人々もまた山林利用しており、鉱山発展して木炭使用量が増加するにつれて地域住民鉱山側との対立発生した食料については仙台藩農民から買い上げ余剰米である買米払い下げたり、藩の協力仰ぎながら栗原郡内から供出求めるなどして確保した。生吹法に用いは、北上山地生産される砂鉄から精錬された運び使用したが、そのため輸送盛んに行われるようになった

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