気候と植物相
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 16:25 UTC 版)
中央高地式気候を呈しているが、山地によって隔てられる地域差も大きい。また、盆地部は夏の暑さが顕著であるが、冬は緯度や標高を考慮すると比較的温暖で朝晩の冷え込みが厳しいものの晴天が多いために日中の気温は上がりやすい。これは、周囲の標高の高い山脈によって北や西からの寒気を遮ることが多くなるためであり、関東平野と同じく寒気の流入が遅れやすい。特に、年間を通して最高気温が高くなる傾向にあり、南部町では1月を除いてすべて夏日(25度以上)の記録がある。 冬の季節風(八ヶ岳おろし)が強いが、降雪は豪雪地帯の南アルプス市(旧芦安村)と早川町を除いてわずか。また、夏は標高の割に最低気温が高くなり、6 - 8月の最低気温の月平年値は熊谷や東京など標高の低い平野部とほぼ変わらなくなる。年降水量が少なく日照時間が長いが、台風の通過経路でもあり、しばしば集中豪雨に見まわれる。その為、沼地の多い中巨摩地域では、舟を所有していた家も多かった。山麓地域では盆地部より気温が冷涼かつ1日の気温差が大きく、降水量も多い。このため、盆地周縁では冷涼な気候に向いた葡萄の栽培が盛んである。 植物相は盆地部で落葉広葉樹林、山岳部では亜高山・高山帯の植生。また、富士川下流域の河内地方は温暖多雨であり太平洋側気候にかなり近く、潜在自然植生で常緑広葉樹林。 富士山の山頂は最暖月平均気温が6.0℃でケッペンの気候区分ではツンドラ気候となっている。また、清里のある八ヶ岳山麓、青木ヶ原樹海や富士五湖周辺の富士山北麓などの標高1,000mを超える高原地域は亜寒帯湿潤気候(Dfb)に属し、冬の寒さは非常に厳しく厳寒期には-20度を下回るが、夏は冷涼で避暑地となるなど北海道に似た気候である。 山梨県内各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報)平年値(月単位)国中地方・中西部郡内地方・東部富士五湖北杜市大泉韮崎甲府甲州市勝沼身延町切石南部甲府市古関大月富士河口湖町河口湖山中湖村山中富士山平均気温(℃)最暖月22.3(8月) 25.6(8月) 26.2(8月) 25.5(8月) 25.6(8月) 26.0(8月) 23.6(8月) 24.5(8月) 21.8(8月) 20.5(8月) 6.0(8月) 最寒月-0.4(1月) 2.1(1月) 2.5(1月) 2.1(2月) 1.7(1月) 3.6(1月) 0.3(1月) 1.7(1月) -0.8(1月) -2.6(1月) -18.5(1月) 降水量(mm)最多月187.8(9月) 215.7(9月) 190.8(9月) 188.4(9月) 307.4(9月) 194.0(9月) 337.9(9月) 236.9(9月) 256.0(9月) 368.7(9月) 最少月20.4(12月) 22.1(12月) 23.5(12月) 22.6(12月) 32.9(12月) 29.0(12月) 35.7(12月) 26.6(12月) 33.7(12月) 49.1(12月)
※この「気候と植物相」の解説は、「山梨県」の解説の一部です。
「気候と植物相」を含む「山梨県」の記事については、「山梨県」の概要を参照ください。
- 気候と植物相のページへのリンク