気候と居住可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/19 11:29 UTC 版)
「グリーゼ581d」の記事における「気候と居住可能性」の解説
グリーゼ581dは地球からのトランジットが確認されておらず、大気の状況も現在まで確認されていない。このような気候の状況は軌道やコンピュータのモデルによる理論上の推測に基づいている。 グリーゼ581dはハビタブルゾーンの端にあるので当初は水が液体で存在するには寒冷すぎると考えられていた。2009年に軌道が訂正されたことにより、2011年、フランスで行われたシミュレーションでは、十分な大気圧の下では表面に水が液体でいられるのに適しているとされた。Stéphane Udryはグリーゼ581dについて"大きく、深い海に覆われた海洋惑星の第一候補かもしれない"と言っている。 グリーゼ581dが主星から受ける光の強さは平均して地球が太陽から受ける光の約30%しかない。なお、火星と比較すると、火星が太陽から受ける光の強さは地球の約40%なので火星にも満たない。これを考えるとグリーゼ581dは寒すぎて人間がすむのに適さないと考えられる。しかし、温室効果の影響で、天体の温度はかなり上がっている。地球で例えると地球は温室効果ガスなしでは-18℃ほどであり、月のように日中は100℃、夜は-150℃に及ぶ。もし、グリーゼ581dが十分な温室効果を生み出し、二酸化炭素を安定できたら、表面温度が水が液体になるために十分であり、考える限りでは生命を維持するのも可能であると考えられている。Barnesらによる計算によると放射による加熱が予測よりいくぶん多くない限り、潮汐加熱(英語版)が低いため、グリーゼ581dのプレートテクトニクスが活発にならない。 グリーゼ581dは質量が大きいので岩石のみからなる可能性がある。元々は凍った惑星であったが、だんだん恒星に近づいた可能性もある。平衡温度は181K。 グリーゼ581dは変光星なので人が住むには適さない可能性もある。
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