構造と改造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 06:14 UTC 版)
一見同じような一様に黒い直方体であるが車体長だけでなく、リベット組み立てと溶接構造、側面から見て炭庫囲い上縁両肩の切り欠きの形状(炭庫の側板が嵩上げされ炭庫と水槽容積の比率が変わっている)、配管、台車、尾灯、後進時前照灯、クレーン吊り金具などに個々の差異が見られる。また、C55形2次車など流線形の機関車に合わせて上部をカバーで覆ったもの、C56形に見られる後進時の視界確保の必要から両側を大きく切り欠いたもの、資材を切り詰め代用材を用いた戦時設計、それから発展した無台枠(プランクレス)の船底形のように、基本形状にもいくつかの分類がある。 D51形戦時製には10-20形で台枠なしの船底が量産され、C59形後期やC62形の10-22形には確立した全溶接の船底型が見られる。 炭水車は他車との振り替え以外にも製造後に様々な改造を受けることがあり、石炭搭載量を増やす炭庫の拡大(例: C62 38)、運転環境の改善や牽引定数向上などを目的とした重油タンク(例:D51 427)や自動給炭装置の追加装備、主に入換作業や逆行運転で使用される機関車で施された炭庫と水槽両側の切り欠き改造(構内用9600形に見られる。凸型の背面になる)などが代表的な例である。 C53形付随だった12-17形は40t糖蜜輸送タンク車として2両一組のタキ1600形に改造(1949年)。 C51形(鉄道院18900形)のうち東京名古屋間の優等運用についたものは標準装備の17m3をC52の20m3後期形に換装し水量増、さらに30t水槽車(後のミキ20形)を増結するため配管と幌の改造を施した。 C59 127号機用は重油専燃改造を受けたためテンダーも大きく異なる。 C56形の炭水車 D51形の炭水車(8-20B形) 船底型10-25B C59形
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