梁塵秘抄巻第一并梁塵秘抄口伝集巻第一残巻
主名称: | 梁塵秘抄巻第一并梁塵秘抄口伝集巻第一残巻 |
指定番号: | 2482 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1993.06.10(平成5.06.10) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 書跡・典籍 |
ト書: | |
員数: | 1巻 |
時代区分: | 室町 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 天理本は郢曲の家として著名な綾小路家に伝来したもので、「梁塵秘抄巻第一」と「梁塵秘抄口伝集巻第一」の各巻頭を抄出した一巻である。『秘抄』巻第一、『口伝集』巻第一の本文はこの本によってのみ知られ、押小路家旧蔵本、平松家旧蔵本等の現存写本の親本に相当する古写本である。 体裁は袋綴冊子を改装した巻子本で、浅葱地蓮葉文綴子表紙に「梁塵秘抄巻第一断簡」と外題がある。本文料紙は室町時代中期の文書料紙三紙の紙背を用い、奥書等はないが、筆蹟などからみて本文の書写も紙背文書を程遠からぬ時期とみられる。 巻頭に「梁塵秘抄巻第一」と首題し、「長哥十首、古柳卅四首、今様二百六十五首」と標目を掲げ、以下今様の部立を書き上げている。本文は長歌一〇首と古柳卅四首中の第一首までを「そよ」「そよや」の囃子詞以下親本のままに書写し、ついで「是以下略之」として今様二六五首中の春一〇首を抄出する。さらに文末には「梁塵秘抄と名つくる事」と書名に因んだ識語がある。ついで第三紙途中より行を改め「梁塵秘抄口傳集巻第一」と内題し、「いにしへより今にいたるまてならひつたへたるうたあり」以下二三行にわたり神楽、催馬楽、風俗の起源沿革から今様のおこりまでを記している。文中『聖徳太子伝暦』にある土師連の〓惑星の逸話を引いて今様の濫觴を述べるが、本文は「いまやうと申事のおこり」までで終わっていて、『秘抄』巻第一冒頭部分と合わせて『口伝集』の全貌を示す標本として抄出したことを示している。 附【つけたり】とした「梁塵秘抄巻第二」は、明治四十四年和田英松氏の発見から大正元年八月の佐佐木信綱氏による研究公刊によって、初めて学界に知られた江戸後期の写本で、本書によって『秘抄』巻第二の全貌が明らかになった孤本である。本書は目録の形式、本文記載、用字法などは綾小路本と全く一致するが、表記の大部分は平仮名で、しかも誤字や当字もみえて、文章の理解に問題の箇所も少なくないため、附としてその保存を図ることとした。 |
書跡・典籍: | 根本説一切有部百一羯麿 桜町天皇宸翰及一座短籍 梁塵秘抄口伝集巻第十残巻 梁塵秘抄巻第一并梁塵秘抄口伝集巻第一残巻 梵天火羅図 梵字形音義 梵本大般涅槃経断簡 |
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