松の岩場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/21 00:59 UTC 版)
「エバーグレーズの地形と生態系」の記事における「松の岩場」の解説
松の岩場(パインランドとも呼ばれる)は、平らではない石灰岩底質の上に見られ、尖塔や溶出穴が含まれている。松の岩場は主に3か所ある。マイアミ市からロングパインキーのエバーグレーズ国立公園主入口に近い所まで走るマイアミ尾根が第1、2つ目はフロリダキーズ南部、3つ目がビッグサイプレス湿地である。松の岩場生態系の最も重要な樹種は、南フロリダ・スラッシュ・パインである(デイド郡松とも呼ばれる)。高さは22フィート (6.7 m) に達する。松の岩場生息域は維持のために野火を必要とする。野火に対して繁茂促進と抵抗を同時にできる。この生息域はエバーグレーズでは最も高い位置にあり、水力期間は無いか僅かであるが、場所によって水を湛えた溶出穴があるか、一時に数か月間水たまりがあるかである。松岩場の砂質の地面は乾いた松の葉で覆われ、非常に燃えやすい。南フロリダ・スラッシュ・パインは樹皮が厚くて熱から守っている。野火は林の地面から他の競合する植生を追い出し、松ぼっくりの種が発芽できる環境を作る。大きな野火が無い期間は、より大きな樹種がスラッシュ・パインに取って代わるので、松林は硬木叢林に代わりうる。松岩場の低層低木には、ノコギリヤシ、キャベツヤシ、西インド・ライラックのような耐火性のある種が含まれている。松林の中で最も多様な植生種はハーブであり、2ダースほどの種が存在している。これら植物は焦げた後に素早く発芽する塊茎のようなメカニズムを持っている。 松岩場生息域の野生生物は多様である。森によっては15種の鳥類が見られる。その中でもよく見られるのが、マツアメリカムシクイ、アカハラキツツキ、ヒガシマキバドリである。爬虫類と両生類は20種以上が見つかっており、グリーンアノール、ミナミヒョウガエル、南ブラックレーサーがいる。松岩場での哺乳類は近絶滅種のフロリダパンサー、フロリダクロクマが生息し、数種の蝙蝠も見られる。 南フロリダ地域の都市開発が行われる以前、松岩場はマイアミ・デイド郡の土地約161,660エーカー (654.2 km2) を覆っていた。1930年代と1940年代、松林は都市開発業者によって大きく取り払われ、製材業に使われた。エバーグレーズ国立公園の中で、広さ19,840エーカー (80.3 km2) の松岩場が保護されているが、1990年時点で1,780エーカー (7.2 km2) に松林が残っており、1か所の平均は12.1エーカー (0.049 km2) である。デイド郡の松はかなり長寿であり、シロアリに耐性があることが分かっているが、密度が高いので釘を打ち込むのが難しい。1984年、多くの松林が無くなった後で、松は郡の条例で保護された。野火の役割が誤解され、松林が無くなることに関わった。野火が付けられると松の岩場は硬木叢林に変遷した。今日、エバーグレーズ国立公園の中の松岩場で、3年から7年ごとに野焼きが行われている。
※この「松の岩場」の解説は、「エバーグレーズの地形と生態系」の解説の一部です。
「松の岩場」を含む「エバーグレーズの地形と生態系」の記事については、「エバーグレーズの地形と生態系」の概要を参照ください。
- 松の岩場のページへのリンク