東京ディズニーリゾートの参加企業制度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 06:33 UTC 版)
「オリエンタルランド」の記事における「東京ディズニーリゾートの参加企業制度」の解説
TDL・TDS内にあるいくつかの施設(レストラン・アトラクション・サービス施設など)には、一業種一社を原則として、国内の大手企業がスポンサーとしてついている。これは、「参加企業制度」と呼ばれるもので、パーク内で配布されるパンフレットに企業名を掲載したり、施設の出入口などに企業名が記された看板を掲げたり、コマーシャルなどの広告宣伝活動にパーク内の風景やキャラクターを使用する権利を与える代わりに、企業から建設資金や運営資金などの援助を行うものである。なお、同様の制度は、キッザニア東京の「スポンサーシップ」(オフィシャルスポンサー・シアターサポーター・協賛企業)やユニバーサル・スタジオ・ジャパンの「コーポレート・マーケティング・パートナーズ」にも見られる。ただし、「コーポレート・マーケティング・パートナーズ」では一業種で複数の企業が参加している。 ちなみに、この「参加企業制度」参加表明の第一号は、松下電器産業(現:パナソニック)である。これは、創業者である松下幸之助が、ウォルト・ディズニーの思想に共鳴し、ディズニーランドの経営に強い興味を示したからである。その後、松下幸之助が日本の歴史を紹介するアトラクションとして、松下電器の提供でミート・ザ・ワールドを建設させた話は有名である(後に松下電器はこのアトラクションの提供を終了、2002年(平成14年)に運営終了)。またOLCから打診を受け、参加企業として参加表明をしたのはキリンビールが第一号である。なお、当時、松下電器もキリンビールも参加表明をしただけであって、スポンサー契約締結第一号は明治乳業である。 また、スポンサー契約の一環として、日本航空を「オフィシャルエアライン」、JCBを「オフィシャルカード」としている。日本航空では、子会社であるジャルツアーズのパッケージツアー「JALSTAGE」で「JALで行く東京ディズニーリゾート」が独自に設定されており、ツアー利用客専用の羽田空港とパーク間の無料送迎バスをはじめ、ショー鑑賞券やディズニーキャラクターが使われている景品などの特典が用意されている。また、JALの羽田空港発着路線がある都市にはJALとOLC共同でプロモーション活動を行うこともある。一方、JCBは目立った特典といえば毎年12月に行われる、カード利用者を対象とした約3万人規模の「JCBマジカル」程度である。また、レジのそばにJCBのロゴとJCBカードが使える旨が書かれたプレートが貼られているため、パーク内ではJCBカードしか使えないと思っているゲストも少なくない(ただし1990年代までは本当にJCBカードしか使えなかった。園内にある三井銀行→さくら銀行(当時)のATMによるキャッシングのみ)。現在はJCB以外のクレジットカードも利用することができ、3万円未満の一括払いであればサインレスという点も同じで、利用する面で特にJCBが優遇されているようなことはない。一方で、JCBギフトカードをパーク内で利用することはできない(ボン・ヴォヤージュ、イクスピアリ、ディズニーホテルでは利用できる店舗が存在する)。ちなみに、世界のディズニーパークの中で、JCBがオフィシャルカードになっているのは東京ディズニーリゾートのみで、他のテーマパークではディズニーとスポンサー契約を結んでいる「VISA」がオフィシャルカードになっている。また、イクスピアリではオリコのブランドで提携カードを発行しているほか、非接触決済方式にはMasterCardコンタクトレスを採用している。 また、東京ディズニーリゾート内で販売される商品に、参加企業のロゴマークを付ける事例もある。現在、東京ディズニーリゾートで販売されている菓子などの食品には、製造者名ではなく、OLCが各製造会社に割り当てたコードだけが明記されている。これは、購入客からの全ての問い合わせをOLCが管理するためとされており、一種のプライベートブランドとも言える。ただし、回収や代金払い戻しなどが生じた場合は製造者名を公表する。しかし、参加企業である「ユーハイム」が製造した商品には製造者名は明記されてはいないものの、ユーハイムのロゴマークや、ユーハイムが東京ディズニーリゾートの参加企業であることを知らせるメッセージが印刷されている。 なお近年では、この参加企業制度に対して、費用に見合った広告宣伝効果があるのかと疑問視する声があることも事実で、2006年(平成18年)9月には6社が同時に契約更新を打ち切るなど、その影響がすでに見られている。また、この事態に対応するため、OLCは、従来は禁止していた「商品名」を記した看板を設置できるよう、スポンサー契約条件の緩和などを検討している。ちなみに、海外のディズニーパークでも各国の大手企業がスポンサーとしてついている。中には、本田技研工業のように香港ディズニーランドなどの海外のディズニーパークとだけスポンサー契約を結んでいる企業もある。
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