木造伝了源坐像
主名称: | 木造伝了源坐像 |
指定番号: | 3429 |
枝番: | 00 |
指定年月日: | 1992.06.22(平成4.06.22) |
国宝重文区分: | 重要文化財 |
部門・種別: | 彫刻 |
ト書: | |
員数: | 1躯 |
時代区分: | 鎌倉 |
年代: | |
検索年代: | |
解説文: | 簡素な緒付の袈裟を懸け、合掌して坐るほぼ等身大の僧形像で、現在、本堂須弥壇中央に祀られる本尊三尺阿弥陀立像(鎌倉時代前期)の左脇に安置されている。 檜材を用い、頭体を別材から造り、頭部は前後三材、体部は前後左右四材からなる。それぞれ内刳【うちぐ】りを施し、玉眼を嵌入、像底を上底式に彫り残す。表面は錆下地、黒漆塗の上に白地彩色とするが現状は黒色を帯びている。 近世の地誌等によれば、本寺は相模国巡錫中の親鸞に帰依しその弟子となった了源(平塚入道)が創建したと伝え、また本像については多く了源の像と記している。なかには親鸞とするものもあるが西本願寺の画像(国宝)などと比較してその風貌には明らかに逕庭があり、本像の像主は了源である可能性が高い。 了源の出自来歴はあまり明らかでないが、『親鸞上人門侶交名牒』(光明寺本)には「了源 相州山下ノ住」と見え、建長四年二月二十五日付の親鸞消息(『末燈鈔』所収)にその往生についてふれられている「ひらつかの入道」はこの了源のことであろう。一説に建長三年(一二五一)六〇歳で歿したというが、これは本像の風貌の示す年齢と一致する。 口許をゆるめた表情は念仏を唱える一瞬を捉えたように生き生きと表されており、法衣や裳の衣文と全体の面構成には単純化が推し進められながらもなお写実味を失わず、まとまりのよい像容が的確に刻み出されている。その構造・技法を併せ考えると制作は十三世紀後半、おそらく了源歿後あまり時を経ない頃と推定される。 |
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