木曽川・長良川事件で検挙
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 15:49 UTC 版)
「大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件」の記事における「木曽川・長良川事件で検挙」の解説
一方で運転手役のVは長良川事件発覚の翌日(10月9日)に大阪から一宮市へ戻り、X・W子・Y子らと合流して車内でシンナーを吸っていたが、その現場を一宮警察署(愛知県警察)の署員に押さえられた。またKAは10月12日に大阪府警へ出頭し、別の強盗事件で逮捕された。 10月13日には大垣署捜査本部が犯行グループ6人のうち男2人・女1人を事情聴取し、同日には男Z(当時21歳)・少女Y子(当時16歳)の計2人を長良川事件における殺人・逮捕監禁・強盗などの容疑で逮捕した。さらに同日には事件の参考人として聴取していた少年X(当時19歳)・少女W子(当時18歳)がそれぞれ「仲間数人で友人を暴行して木曽川に捨てた」と自供し、供述通りに木曽川河川敷(尾西市)で被害者Bの遺体が発見されたため、愛知県警は同日夜にX・W子を逮捕した。また岐阜県警捜査本部は少年KMや男V(当時20歳)ら計4人も殺人などの容疑で指名手配したが、メンバーの一部(KA・HM)が近畿地方で暮らしていた経歴があったことため「関西方面に潜伏している可能性もある」として捜査員を派遣した。長良川事件の犯行グループは6人で、全員が木曽川事件(加害者は+2人で計8人)にも関与していたことが判明したため、愛知・岐阜両県警は共同捜査本部を設置して両事件を捜査することとなった。 一方でKMは事件発覚後も一宮市周辺に潜伏し、シンナー仲間・少年院時代の知人を頼りに転々としながら逃亡を続けており、10月10日夜には知人男性(当時22歳)宅に泊まった。10月13日21時過ぎ、KMは先述の知人男性や友人の少女(当時16歳)とともに3人で一宮市内のコンビニに行ったが、同店前で駐車していた若者(当時18歳)の車(米国仕様のアコード)にいきなり乗り込んで車の鍵を奪い、若者を「これから俺の言うところに行け。行かへんとただじゃ済まさんぞ」と関西弁で脅迫した。そして先述の2人を乗せて一宮市内の保育園へ向かい、シンナーを吸っていた仲間と立ち話をしてからガソリンスタンドで給油すると、江南市方面へ向かって逃走した。しかしコンビニで起きた出来事を若者の知人が目撃しており、若者の家族が連絡を受けて110番通報したためにパトカーが出動し、KMが運転していた自動車を追跡した。逃走開始から約3時間後の10月14日0時過ぎ、KMは江南市東野町郷前で車を街路樹に衝突させ、KMを含めた4人全員が負傷した。その後も逃走を続けた被疑者KMだったが、相談に行った先で説得され、同日深夜に一宮署へ出頭し、指名手配容疑である木曽川事件の殺人容疑で逮捕された。中部管区警察局は同日(1994年10月14日)付で本事件を管区第3号事件に指定した。 岐阜県警の長良川事件捜査本部は10月15日に男Vを殺人・逮捕監禁致傷などの容疑で逮捕したほか、6人のうち最後まで身元が判明していなかった19歳少年を殺人容疑で指名手配したが、この少年 (KA) が別の事件で大阪府警に逮捕されていることを把握した。KAは10月23日に身柄を大垣署に移送され、殺人・逮捕監禁致傷容疑で岐阜県警捜査一課・大垣署に逮捕された。 その後、被疑者KMは11月4日に殺人容疑(長良川事件)で岐阜県警捜査一課に再逮捕され、11月26日にも指名手配容疑である津島市の強盗致傷事件で愛知県警捜査一課・津島警察署に再逮捕された。また被疑者KAも11月14日に殺人容疑(木曽川事件)で愛知県警捜査一課・一宮署に再逮捕された。 『中日新聞』記者からの取材に応じた捜査員は「昔の殺人には必ず目的・動機があり、このような理由なき殺人はなかった。何がいったい加害者たちを駆り立てたのか?」と証言したほか、この証言を取り上げた同紙朝刊(1994年10月14日付)は同年7月に岐阜市内で発生した別の若者らによる殺人事件にも言及して「『むしゃくしゃして誰かに当たりたかった』という理由にもならない理由で殺人が起きた」と言及した。
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