木星探査
木星は、太陽系のなかでもっとも大きな惑星
太陽系のなかでもっとも大きな惑星が木星です。直径は地球の約11倍、体積は約1,300倍もあります。しかし、重さは地球の約318倍しかなく、大きいけれど、軽い惑星であることがわかります。木星は火星よりもさらに地球の外側を回り、地球から太陽までの距離の5倍ほどの大きな半径をもつ軌道(きどう)の上を回っています。太陽のまわりを一回りする公転は約12年ですが、大きなわりに約10時間という速さで自転します。木星は水素とヘリウムからできているため、地球のようにかたい地面がありません。
宇宙人あての手紙が積みこまれた木星探査機パイオニア10号、11号
NASAは1972年3月3日と1973年4月6日に木星などに近づいて観測をするパイオニア10号、11号を打ち上げました。パイオニア10号は1973年12月3日に木星から13万1,500kmまで接近し、木星表面や衛星の写真をとったり、磁場(じば)や放射線、温度、大気のようすなどの観測をおこないました。パイオニア11号は1974年12月2日に木星から41,000kmまで接近したあと土星に向かい観測を続け、その後1983年6月には海王星の軌道を越えました。2機のパイオニアには宇宙人あての手紙が積みこまれています。裸の男女がパイオニアの略図のわきに立っていて、地球人の姿と大きさがわかるようになっているものです。
木星の衛星や輪、大赤班などがボイジャー1、2号によって明らかに
1977年にボイジャー1号、2号が打ち上げられました。木星には、1610年にガリレオが発見したイオ、エウロパ、ガニメデ、カリストという4つの大きな衛星がありますが、ボイジャー1号によってこれらが撮影されました。最大の発見は第1衛星イオに活火山があることで、ナトリウムやイオウの雲が周辺にあることもわかりました。他の3つの衛星は青白い氷でおおわれていました。また、ボイジャー1号によって発見された木星特有の細い輪はボイジャー2号によって撮影され、木星表面の大気に見られる大赤班(だいせきはん)も近接撮影されています。さらにボイジャー2号によって、木星の衛星は全部で16個あることもわかりました。2003年1月時点で木星の衛星は40個確認されています。
ガリレオ探査機によって木星表面の過酷な気象状況がわかる
1989年10月、NASAは木星に探査機を送りこむ「ガリレオ計画」のスペースシャトルを打ち上げ、シャトルから木星の大赤班(だいせきはん)に突入する探査機と、木星を周回する探査機を発射しました。木星の大気を調べるカプセルは直径120cm、高さ86cmの円すい形をしていますが、1995年7月13日にガリレオ探査機本体(軌道船)から切りはなされ、12月8日に秒速47kmという猛スピードで木星の大気圏に突入しました。カプセルはパラシュートで降下しながら大気の圧力やまさつ熱で消失してしまうまでの57分間、観測データを軌道船まで送り続けました。その結果、木星表面は秒速147m以上もの強風が吹いていることや、大気がとても乾燥していて地球にあるような水のつぶでできた雲はないことがわかりました。
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