書譜とは? わかりやすく解説

しょふ【書譜】

読み方:しょふ

中国唐代書論孫過庭著。著者真跡伝えられ草書の手本として珍重される


書譜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/13 05:34 UTC 版)

孫過庭」の記事における「書譜」の解説

『書譜』(しょふ)は垂拱3年687年)、孫過庭自ら著した書論運筆論)で、著者自身書いた真跡台北国立故宮博物院所蔵されている。最初の行に「書譜巻上 呉郡孫過庭撰」、最後の行に「垂拱三年写記」とあり、全文369行で3727字ある。巻の前後には「政和」・「宣和」・「双龍」の印があるが、これは徽宗鑑蔵印である。 『書譜』は王羲之の『十七帖』とともに草書代表的な古典である。孫過庭王羲之書法継承し、さらにその書法発展させた。いまもなお『書譜』が重要とされるのは、王法忠実な継承作であるとともに書論としての内容見識の高さにある。その内容は、王羲之はじめとする書人比較過去書論批判、書の本質、書の表現方法など多岐にわたるが、すべて書家として経験からの論である。最後に体得したことを秘することはしない。」と記し論を終えている。 巻尾に、「今、撰して六篇とし、分かちて両巻となす。」とあるが、巻頭に「書譜巻上」とあって「巻下」という標題がないため、この他に巻下があったのかどうか学者の間に論議をよんだ。最近学説では、「今は1巻つなげられているが、もとは2巻に分装されていた。」と見られている。これについて西林昭一は以下のように述べている。 現行書譜全篇で完全に6章より構成されている。その分段と各篇主意私見によれば次のとおりである。 巻上第1篇王羲之典型とする四賢優劣第2篇 … 書の本質価値 第3篇六朝以来書論 巻下第4篇 … 執使用転の説および王書価値 第5篇 … 書表現基盤段階 第6篇 … 書の妙境俗眼への批判 跋語 … 書譜述作趣意 刻本 『書譜』の刻本としては、宋刻の薛氏本(せつしぼん)・太清帖本(たいせいろうじょうぼん)、明刻停雲館帖本(ていうんかんじょうぼん)・玉煙堂帖本(ぎょくえんどうじょうぼん)、清刻の安麓村本(あんろくそんぼん)・三希堂法帖本(さんきどうほうじょうぼん)などがある。 薛氏本は、元祐2年1087年)、河東の薛紹彭が刻したので元祐本(げんゆうぼん)の異称がある。徽宗大観3年1109年)に『大観帖』が完成したころに、書譜と十七帖も刻して秘閣続帖』全10巻とともに太清帖』22巻とした。明に入って停雲館帖』・『玉煙堂帖』に刻入されたが、『停雲館帖』では前半太清帖本から取り後半真跡本から取っている。清朝になって安岐が真跡本全巻得て天津刻したのが安麓村本(天津本とも)である。真跡その後乾隆帝内府蔵され、更に『三希堂法帖』に刻入された。

※この「書譜」の解説は、「孫過庭」の解説の一部です。
「書譜」を含む「孫過庭」の記事については、「孫過庭」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「書譜」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「書譜」の関連用語

書譜のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



書譜のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの孫過庭 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS