各篇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 10:23 UTC 版)
各篇の並び順は以下の通りであるが、これは深い考えがあってのものだ、という説を高田衛は提唱している。つまり、前の作品の一部要素が、次の作品の内容と結びついていて、円環をなしている、ということである。 白峯(しらみね) - 西行が讃岐国にある在俗時代の主崇徳院の陵墓、白峯陵に参拝したおり、崇徳上皇の亡霊と対面し、論争する。巻之一収録。(→#白峯) 菊花の約(きつかのちぎり) - 契りを交わした(衆道)義兄弟との再会の約束を守るため、約束の日の夜、自刃した男が幽霊となって現れる。巻之二収録。(→#菊花の約) 浅茅が宿(あさぢがやど) - 戦乱の世、一旗挙げるため妻と別れて故郷を立ち京に行った男が、7年後に幽霊となった妻と再会する。巻之二収録。(→#浅茅が宿) 夢応の鯉魚(むおうのりぎよ) - 昏睡状態にある僧侶が夢の中で鯉になって泳ぎまわる。巻之三収録。(→#夢応の鯉魚) 仏法僧(ぶつぽふそう) - 旅の親子が高野山で、怨霊となった豊臣秀次の一行の宴に遭い、怖い思いをする。巻之三収録。(→#仏法僧) 吉備津の釜(きびつのかま) - 色好みの夫に浮気され、裏切られた妻が、夫を祟り殺す。巻之三収録。(→#吉備津の釜) 蛇性の婬(じやせいのいん) - 男が蛇の化身である女につきまとわれるが、最後は道成寺の僧侶に退治される。巻之四収録。(→#蛇性の婬) 青頭巾(あをづきん) - 稚児に迷い鬼と化した僧侶を、旅の僧である快庵禅師が解脱へと導く。巻之五収録。(→#青頭巾) 貧福論(ひんぷくろん) - 金を大事にする武士、岡左内の寝床に金銭の精が小人の翁となって現れ、金とそれを使う主人との関係を説く。巻之五収録。(→#貧福論)
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