日本以外に生息するカマキリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 01:39 UTC 版)
「カマキリ」の記事における「日本以外に生息するカマキリ」の解説
日本産と同様に草や枯葉に擬態し、緑色や茶色の体色をしたものがほとんど。一部には、通常のカマキリとは異なる体型であって、鮮やかな花や枯れ枝、落ち葉に擬態した種類が存在する。 ハナカマキリ Hymenopus coronatus Oliver, 1792 分布:東南アジア 1齢幼虫は花には似ていず、赤と黒の2色で同地域のカメムシの1種に似ていて、ベイツ型擬態と見られる。2齢幼虫は脚の腿節が水滴型に平たくなり、体色もピンクや白であって、ラン科の花に体を似せていて、英名もOrchid Praying Mantis(ランカマキリ)と呼ばれる。擬態をしている昆虫として代表的なものである。ただし、成虫になると体が前後に細長くなってカマキリらしくなり、あまりランの花には似なくなる。日本の近縁種であるヒメカマキリとは性質が大きく異なり、共食いもする。オスは体長3cmほどであり、7cmほどあるメスの半分にも満たない。 ケンランカマキリ Metallyticus splendidus 分布:東南アジア 「ハンミョウカマキリ」とも呼ばれるようにハンミョウのような金属光沢の緑色の体色が特徴であり、世界一美しいカマキリといわれる。 ゴキブリのように素早く動き、メスは緑の地色に赤が混じり、オスは青が入る。 オオカレエダカマキリ Paratoxodera cornicollis 分布:東南アジア 枯れ枝のような細長く茶色い体の所々に葉に似せた鰭状のものがついている。ドラゴンマンティスとも呼ばれる最大のカマキリ。 カレエダカマキリ Euchomenella heteroptera De Haan, 1842 分布:東南アジア 和名どおり枯れ枝に似ている。気配を感じると、前肢を伸ばして枯れ枝に擬態する。 ボクサーカマキリ Acromantis gestri 英名 Boxer Mantis 分布:東南アジア 体長3cm。近縁種も小型種が多く、体に比べて前肢が太くカマが円盤状で厳ついところがボクサーグローブに似て、体を起こすと、ファイティングポーズを採るボクサーに似ることからこの名がある。ハナカマキリ科のグループだが、日本のヒメカマキリはハナカマキリよりはこちらに近く、体色も似ている。 カレハカマキリ Deroplatys spp. 分布:東南アジア 前胸が左右に広がっていて落ち葉によく似ている。落ち葉に覆われた森林の地上に生息する。 キノハダカマキリ Theopompa sp 分布:東南アジア オーストラリア 樹皮に擬態するハナカマキリ科のグループ。体が平たく、木の幹を素早く走る。 ニセハナマオウカマキリ Idolomantis diabolica 分布:中央アフリカから南アフリカにかけて。 アフリカに生息するカマキリでは最大の美麗種で、上から見ると薄緑色の体色だが、腹側から見ると鮮やかな赤と青が混じった目玉模様や脚が目立つ派手な色彩をしている。 英語で「デビルフラワーマンティス(悪魔の花蟷螂)」と呼ばれるが、派手な色の成虫とは対照的に、幼虫は地味な茶褐色で、枯れ葉などに擬態している。体長13cmほど。 アフリカメダマカマキリ Pseudocreobotra wahlbergii 分布:アフリカのタンザニア 体色はハナカマキリに似て白い。前翅に大きな目玉模様がある。 マルムネカマキリ 分布:中南米 中南米一帯に暮らすカマキリ。名前のとおり胸が円形をしている。全体的に見ると木の葉そっくりに見える。体長10cm。
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