日本の定義における統計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 21:48 UTC 版)
15歳以上の人口 労働力人口 非労働力人口 就業人口 完全失業者 潜在労働力人口 通学/家事/その他 就業者 休業者 拡張求職者 就業可能非求職者 日本における若年無業者(ニート)の算出方法は、厚生労働省『特定調査票集計』の中の「詳細集計」(総務省の労働力調査)に基づいており、そのうち、15〜34歳の非労働力人口の中から、専業主婦・主夫を除き、求職活動に至っていない者と定義している。すなわち若年失業者(求職活動を行っている)は除外される。 いわゆる「家事手伝い」については、現在の厚労省の定義ではニートに含めていない(下記)。 フリーターや失業者との区別 厚労省の定義では、求職活動を行っている無業者は、労働力人口の「完全失業者」に分類されており、無業であっても求職活動を行っていれば「ニート」には分類しないこととしている。フリーターについては、失業しており求職活動行っていない者を「ニート状態にあるフリーター」に分類している。 引きこもりとの重複 2010年に厚労省が別途に実施した調査では、いわゆる「引きこもり」の状態にある者(20〜49歳)が全国でおよそ32万世帯いると推定されており、同省ではこれらの者たちをニートの「就業希望を有しない者」に含めている。つまり、引きこもりを「ニート」として扱っているわけである。しかしながら、内閣府が2010年に実施した15歳〜39歳までの若年層を対象に調査した初の引きこもり全国実態調査では、引きこもりに該当する者は69.6万人おり、さらに「予備軍」がおよそ155万人いると推計された。これは前述の厚労省統計によるの「ニート」に含まれている引きこもりの数を大きく上回っているものだが、厚労省研究班班長として引きこもり新ガイドラインを作成した齊藤万比古は、この数値に異論を唱えている。 内閣府による過去の定義 かつて内閣府では、ニートを「独身であり、普段収入になる仕事をしていない、15歳以上35歳未満の個人」と定義していた。これは、2005年に内閣府が実施した『青少年の就労に関する研究調査』において見ることができ、1956年から総務省(1956年当時は自治庁)がほぼ3年毎、1982年以降は5年毎に実施している『就業構造基本調査』を根拠にしていた。この定義は、現行の厚労省による定義と大差は無いが、「家事手伝い」を含めていた点で異なっている。これは、同研究調査の企画分析委員長だった前述の玄田有史が定義したもので、その理由として「女性の若年無業者が家庭外での社会参加活動をしていない場合、自らの現状を表す言葉に窮し、『家の手伝いをしている』と回答する者が多く見受けられたため」だとしている。同年の内閣府による調査では、家事手伝いや病気・ケガで療養中の者などを含めて、ニートの数はおよそ80万人と推計していた。 フリーターについても、厚労省と内閣府が二重に統計していたが、2006年3月22日の参議院経済産業委員会において、民主党の山根隆治参議院議員(当時)から、「ニートとフリーターの数について、政府で統一をして頂きたい」との要望がなされ、当時の同省・職業安定局次長が答弁で「この政策(ニート及びフリーターの支援等)に私どもが責任を持っており、政府全体の基本的見解としては、私ども厚生労働省の試算値を政府内で取っているというふうに理解をし、そのように取り扱っている」と回答した。これを受けて、内閣府によるフリーター及びニートの推計調査は、2005年に行った『若年無業者に関する調査』を最後に実施されなくなった(ただし、前述のように、内閣府は現在も引きこもりに関する全国実態調査などを別個に実施している)。
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