日本におけるボールドウィン製機関車
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「ボールドウィン・ロコモティブ・ワークス」の記事における「日本におけるボールドウィン製機関車」の解説
日本で初めてボールドウィン製の蒸気機関車を採用したのは、北海道で1887年に開業した釧路鉄道(後の国鉄7000形蒸気機関車)であった。その後、アメリカの鉄道に範をとって建設された、官営幌内鉄道(→北海道炭礦鉄道)や北海道官設鉄道でも多数が導入された。 本州や九州の鉄道は、開業時にはイギリスやドイツの技術によって建設されたが、イギリスの機関車メーカーのように客を選ぶこともなく、大量生産と価格低下にアドバンテージを発揮し、官設鉄道のみならず、日本鉄道や山陽鉄道といった大手私設鉄道へも多数が納入されている。日本における最後のボールドウィン製輸入機は、1925年製の北海道鉄道(2代)に納入された3両であった。しかしながら、ボールドウィン製の機関車は、とかく粗製濫造という評判があり、官設鉄道2500形(B6)のように同型車中で早期に淘汰対象となったものも多い。 最も多く見られたのが軽便鉄道や森林鉄道であった。特に森林鉄道では勾配に強く信頼性が高いことから、津軽森林鉄道や木曽森林鉄道等で導入されていた。 現在日本国内で保存されているボールドウィンの蒸気機関車は、下記のようなものがある: 博物館明治村:現役当初は身延線や日本鋼管で活躍) 木曽森林鉄道・赤沢自然休養林:上松運輸営林署1号機関車 林野庁林業機械化センター: ウェスタン村 小湊鉄道五井機関区:同社の1号・2号機関車 仁別森林博物館(秋田県秋田市:北海道の温根湯森林鉄道で使用されたもの) また、電気機関車についても日本の鉄道車両史において重要な位置づけにある。一般にウェスチングハウス製の電気機関車はボールドウィンで車体と台車を架装しており、秩父鉄道デキ1形や信濃鉄道1形など、大きめの機械室とオフセット配置された前後ボンネットの車体は当時のボールドウィンの標準構造の一つであった。箱型機についても鉄道省ED53形と鉄道省EF51形を担当しており、ウェスチングハウスの電気機関車が日本の電気機関車の原型となったことで、これらの車体デザインもまた日本型へとアレンジされていくなど、電気機関車に与えた影響もまた大きい。
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