日本での射撃競技
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クレー射撃 飛行中のクレー(クレーピジョン)を散弾銃で撃ち落とし、その枚数によって点数を競う競技。 銃規制の厳しい日本では諸外国に比べ普及率は決して高いとは言えないが当然国内でも行われている。専用の射撃場もそれなりの数があり、年齢、性別を問わず楽しんでいる人も多い。ただし、日本の銃刀法があるので、クレー射撃に使う散弾銃を所有するためには、それなりの手続きが必要である。警察の窓口で申し込み、初心者講習会・教習射撃の受講、銃の申請をし、公安委員会から所持許可を得て、保管用ロッカー等を整えた後に所有することになる。さらに、精神状態等についての定められた条件も満たしている必要がある。 1922年、クレー射撃の大会が日本ではじめて行われた。「全日本クレー射撃選手権」(トラップ競技)が猟友会主催で行われたのがそれ。1964年には、オリンピック第18回東京大会のクレー射撃競技が埼玉県所沢の射撃場で行われた。 ライフル射撃 クレー射撃が飛翔中の的を狙って撃つのに対し、ライフル射撃では決められた距離に固定されている的を狙い点数を競う。 国際的な標準の距離は空気銃10メートル、スモールボアライフル50メートル、ビッグボアライフル300メートルであるが 国内でのラージボアライフルは射場設備の関係で300メートルよりも短い距離で行われる場合も多い。 狩猟用途でライフル銃を所持するのには散弾銃での10年以上の経験を必要とするが、競技用ライフルは空気銃での競技から始め、所定の段級位をとって日本体育協会より競技者としての推薦を取ることによりスモールボアライフル、ビッグボアライフルとステップアップ出来る。ビームライフル エアライフル競技に使われる空気銃は玩具(いわゆるエアソフトガン)ではなく公安委員会の所持許可が必要な実銃であるのに対し、ビームライフルは低年齢者や所持許可を持たない者の入門用として光線銃を使用する日本独自の競技である。 設置場所も公安委員会の指定を受けたライフル射場以外でも使用できるので射撃部のある高校等でもさかんに利用されている。 競技は10メートルでのエアライフルに準じたルールで行われ、国体の正式種目でもある。近年、より高精度なデジタルシューティングシステム(デジタル射撃)が開発され注目されている。また、実弾による汚染を考慮して近代五輪においても採用されている。 ピストル射撃 日本では拳銃の所持に大変厳しい規制があるため普及しているとは言い難いが日本ライフル射撃協会の主管によりピストルによる射撃競技も行われており、国民体育大会の正式種目でもある。 日本スポーツ協会よりの推薦で競技用けん銃、空気けん銃の所持が可能であるが、推薦枠は全国でエアピストル500人、装薬ピストル50人と狭き門である。 おのずと所持許可者には(特に装薬ピストル)警察官、自衛官が多いが民間人での競技選手も少数いる。 玩具銃 低圧ガスによりプラスチック製の弾丸(BB弾)やペイント弾を発射する玩具銃(エアソフトガン、ペイントガン)による標的射撃競技やサバイバルゲームなどがあり、無資格で楽しめるために愛好者も多い。諸外国のほとんどで若年者も無資格で所持できる空気銃が日本では規制されているため、これらの競技が受け皿となっており競技団体も存在しているが、ビームライフル以外は体育競技種目としては認知されておらず、実銃射撃の競技人口拡大に結びついているとは言いがたい状況である。吹矢も以前は玩具だったが近年スポーツとして見直され技術が向上し10メートルでの精密射撃が可能になり愛好者が急増している。 日本前装銃射撃 他 遊技場で玩具銃によりコルクの弾を発射し的を撃つ遊びやゲーム機によるものは射的(プリンキング、plinking)であり、スポーツ射撃(shooting)とは区別されている。前述のエアソフトガンやペイントガンも一般的には射的の要素が強く、スポーツ競技と言うよりゲームの意味合いが大きい。
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