教理等の概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/16 04:54 UTC 版)
「キリスト集会(ブレザレン)」の教理はグループや派閥、伝道者ひとりひとりによって大きく異なる場合があり、個々の集会の自治を重んずるため、神学において統一した見解を持ち合わせているわけではない。特に一部の団体においては、プリマス・ブレザレンが1848年に内部分裂した出来事に由来する、オープン・ブレザレン派とエクスクルーシブ・ブレザレン派との教理の違いが現代まで尾を引いており、以下2派のうち、どちらの考え方を採用しているかによって、各集会運営のあり方そのものが左右される現状にある。 オープン・ブレザレン - 他の教派に対して穏健な態度を取り、信徒の交流も積極的に行なっているグループ。 エクスクルーシブ・ブレザレン - 教義理解を共有できるグループ以外とは、ブレザレン同士であっても一切宗教上の交流を持たない、排他的な性格を持つグループ。 前述のとおり、キリスト集会では基本的に聖職者の存在を認めない傾向が強いが、実際には牧師的な立場の者が存在している団体もある。また、神よりも人間が集会の中心となることを危険視して牧師制度を否定する一方、会衆制のような民主的な総会などは持たずに、長老の監督権力だけが強く出てしまっている団体もある。さらに、このような集会間のあり方・教理の違いがもとで、自らの集会のみが正統であるとして、他集会を蔑んだり、世の中に存在する他教派の教会をまとめて異端とみなしたりする傾向も一部の団体(特にエクスクルーシブ派)には存在する。 なお、キリスト集会の信徒たちの多くは、聖書の教えは一般の学問とは違うとの立場から、神学や教理等の言葉を安易に使用することを避ける傾向にある。神学校等での学習自体も、聖書にそのような記述がないことを理由に、積極的には認めていない。しかし、三位一体の教義はもちろんのこと、プロテスタント信仰の根本である、「信仰義認」・「聖書のみ」・「万人祭司」の原理も厳格に保持しており、正統的な福音主義のキリスト教として一般に認められている。ただし一部の団体の特色として、ディスペンセーション主義に基づく時代区分を歴史観に適用したり、終末論における携挙の捉え方において患難前携挙説を強く主張するなど、他教会・他集会との線引きを明確にする集会も存在する。だが、他のプロテスタント諸教派との違いを強調する集会であっても、聖書は福音派と同じものを使用しており、独自の聖書翻訳はしていない。翻訳上、キリスト集会としてふさわしくないとされている部分に関しては、読み替えて使用している場合もある(例:「教会→集会」、「牧師→牧者」、「教師→教者」等)。
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