採尿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 17:24 UTC 版)
高校生以下の学校検診の場合は、事前に採尿容器を配り、当日朝に自宅で採尿して提出する形となる。これは、小学生〜高校生にあたる思春期前後の年齢に限っては体位性蛋白尿の頻度が高いので、前夜就眠前完全排尿後の早朝第一尿を採尿する必要があるためである。 成人においてはその必要はないため、大学や職場の健康診断では、当日に採尿容器を配り、大学、会社、健康診断センター等の指定されたトイレで採尿する場合が多い。男性は洋式では採尿しにくいため通常小便器で採尿を行うことや、多くの人が一斉に採尿を行うために回転効率の向上を目的に男性採尿用トイレは複数個の小便器のみが設置されている場合も多い。女性は生理中の場合、尿に血液が混ざり、尿潜血反応が陽性となってしまう。そのため、生理による血液での異常値なのか病気による異常値なのか判断がつかないため、生理中の検査は推奨されない。 また、一部のトイレでは、前立腺がん、前立腺肥大症、膀胱がん、慢性腎不全などの尿疾患を早期発見するために、尿の勢い・排尿量・排尿時間を測定するに尿流量測定機能が取り付けられた便器も存在する。 海外赴任等での一部の国で勤務する時や、成人の体育会系公式競技では薬物検査が目的のため、監視員の監視の元、指定のトイレで採尿する。男性の場合、小便器の前に立ち上半身の着衣は胸まで上げ、ズボン、下着を下げ、小便器からある程度距離を取り、やや検査員の方に体を傾けて片方の手で採尿容器を持ち採尿する。採尿の間はDCO(ドーピング検査員)が斜め横から本人の陰茎から排尿されているのを確認する。包皮の中に細工がされていないよう、包茎の場合もその場で包皮は剥くことが望まれる。女性の場合も洋式便器もしくは和式便器で中腰になり、男性同様上半身の着衣は胸まで上げ、ズボン、下着を下げる。採尿容器を片手で持ち採尿する。採尿の間はDCOが被験者の前に立ち、本人の身体から排尿されているのを確認する。 また、検査精度を高めるために中間尿を用いる必要がある。出始めの尿は、尿路系以外からの混入物(女性では膣や外陰部からの細胞や細菌・分泌物、男性では精液などに由来する精子や分泌物など)を多く含み検査結果に影響を及ぼすことがあるためである。 生理中の尿でも検査はできるが、正しい判定ができない項目もある。
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