打ち上げの遅延
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/14 13:46 UTC 版)
2000年代中ごろ、ロシア軌道セグメント(ROS)の製造会社であるエネルギアはISSの将来の構成にウズロヴォイモジュール(UM)を追加した。この提案は接続モジュール(ナウカモジュールの天底側に位置することを考慮してドッキングポートが4ポートから6ポートへと増加し、同時に部分的に追加の生命維持システムを削除することによって重量を20トンから4トンへと減少させるという、汎用ドッキングモジュール(UDM)から大幅に設計変更されたもの)と、追加の科学/エネルギーモジュールを2013年から2015年にかけてロシア側モジュールに追加するというのだった。これらの計画はナウカの遅延によって棚上げになった。ナウカモジュールの改修以降、ウズロヴォイモジュールはプリチャルモジュールとなった。その小ささにも関わらず、この4トンの、球形のモジュールはロシアの宇宙計画において非常に重要な役目を担う可能性がある。 予備設計は2011年1月15日に完了し、エネルギアは科学技術評議会が会議を開き、接続モジュールと関連ハードウェアの予備設計についてのレビューを実施し、設計を承認したと発表した。この会議では、専用の輸送船としてプログレス輸送船を改造したプログレスM-UMと、プログレスM-UM宇宙機モジュールを打ち上げるためのソユーズロケットの改修も承認した。 当初、この接続モジュールは2012年にはISSに組み込まれる予定だったが、プリチャルの前に打ち上げられるべきナウカモジュールの遅延のために、打ち上げが数回延期された。2018年11月、ロスコスモスの有人宇宙計画担当専務のセルゲイ・クリカレフはプリチャルはすでに飛行可能となっているが、依然としてナウカに「複数の小さな問題」があると主張した。 ロケットおよび宇宙企業のエネルギア(ロスコスモスの国営企業の一部)のコントロールおよびテストステーションで、プログレスM-UM輸送船モジュールの一部としてのプリチャルの技術的なテストが完了した。2021年7月31日、この宇宙機は国際宇宙ステーションのロシア軌道セグメントのさらなる開発スケジュールに従って、組み立てと飛行前の準備を続けるためにバイコヌール宇宙基地の技術コンプレックスに運ばれた。 それ以前の数週間、エネルギアの専門家はKISの領域にあるズヴェズダサービスモジュールおよびナウカ多目的実験モジュールの統合スタンドを備えたプリチャルモジュールの接続テストのサイクルを成功裏に完了した。最後の操作のあとで、宇宙船のドッキングしていないコンポーネントと地上テスト装置は、宇宙基地への列車輸送に向けて準備された。 ソユーズ 2.1打ち上げ機を用いた、プログレスM-UM貨物輸送モジュールの一部としてのプリチャル接続モジュールの低軌道への打ち上げは2021年11月に予定されている。
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