悪影響を少なくする対策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 06:21 UTC 版)
日本も批准した子どもの権利条約では、その対策として、(1)子供の処遇を決めるに際しては、年齢に応じて子供の意見を聞くこと、(2)別居が始まれば両親との接触を維持することを求めている。 離婚の悪影響を少なく抑えるための条件は、二人の親の間で争いが少なく、近くに住んで、再婚せず、二親とも育児に関わり、育児時間が50%ずつに近いことである。 メリーランド大学の Geoffery Greif 教授は、子供と別居親との親子関係が切れる要因を研究し、別居親はなるべく子供の近くに住むことを勧めている。また、離れて住む子供に対し、行動を通じて愛情を充分に表現することを勧めている。 ケンブリッジ大学の マイケル・ラムMichael Lamb 教授は、別居親が子供と単に遊ぶだけでは子供の予後は改善されず、子供に関与する中で父親としての役割を果たさなければならないと述べている。(父親の役割を参照)。親子の交流は、量と質の両方が必要である。 ゲルフ大学の Sarah Allen 博士は、多くの論文を検討した結果、子供の発達を改善させるために別居の父親にできるのは次のことだと述べている。(1)充分な養育費を払うこと、(2)同居の母親と協力的な関係を保つこと、(3)親として次のような役割を果たすこと。(規則を決めて子供に行わせること。子供を監督すること。子供の宿題を手伝うこと。アドバイスを与えること。精神的に支えること。子供が成し遂げたことをほめることなど)。 エリザベス・セイアー博士は、父親と母親が争いを止めることを勧めて、次のように述べている。子供は、身体的にも精神的にも、父親と母親から造られたものである。もし父親と母親が争って相手を非難し糾弾するならば、それは子供を非難し糾弾することである。子供の心は、傷つき引き裂かれるであろう。子供の利益を最優先して、きちんとコミュニケーションを行って、協力して子供を育ててゆかねばならない。 離婚後の親の争いは、子供の心に非常に悪い影響を与える。離婚時に詳細な育児計画を決めておけば、その後の多くの争いを予防できる。それで先進国では、離婚手続きの一環として、育児計画の提出を要求されることが多い。 2010年(平成22年)3月9日の衆議院法務委員会で、千葉景子法務大臣(当時)は、次のように述べた。「離婚したあとも、両親がともに子供の親権を持つことを認める『共同親権』を民法の中で規定できないかどうか、政務3役で議論し、必要であれば法制審議会に諮問することも考えている。」 民主党や自民党などの超党派議員は、平成23年の通常国会に、離婚後の子供との面会を保証する法案を提出する準備をしている。
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